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トルコ、国際批判は計算の上 “重し”なくなり攻撃激化も

10/10(木) 21:40配信

産経新聞

 【カイロ=佐藤貴生】トルコのエルドアン政権は欧米などの国際的批判は計算の上で、シリア北部の少数民族クルド人勢力への攻撃に踏み切ったとみられる。自国とシリアにまたがる地域に居住するクルド人の独立機運の封じ込めは、トルコの歴代政権が抱えてきた重要課題だ。トランプ米政権が一時、トルコの越境に干渉しないと示唆したことで一気に攻撃に傾いた公算が大きい。

 トルコは攻撃の標的としているシリア北部のクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)について、独立を目指すトルコ国内の非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)と一体だと批判してきた。

 PKKは1980年代以降、武装闘争によりトルコ政府と流血の抗争を展開し、これまでに約4万人が死亡したとの説もある。創設者のオジャラン容疑者は99年に拘束されて終身刑で服役中だが、トルコ国内のクルド人は全人口の20%を超えるともいわれ、時折伝えられる獄中からの発言には海外メディアも注目してきた。

 PKKは2013年に事実上の停戦を宣言し、政権側との和解の兆しもみられたが、シリア内戦で台頭したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討で米政権がSDFとの共闘に踏み切り、事態は一変。国内外のクルド人勢力の連携を断つ必要に迫られたエルドアン大統領は、「テロリストに協力するのか」などと米国への怒りをあらわにしてきた。

 トルコはSDFをたたいてシリア側国境沿いに独自の「安全地帯」を設置することを目標としているが、クルド人勢力とは積年の確執があるだけに、米国という“重し”がなくなってSDFへの攻撃に歯止めが利かなくなるとの見方も出ている。国際社会の懸念もまさにこの点にある。

最終更新:10/10(木) 21:40
産経新聞

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