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ボルボはなぜ、安全なクルマづくりにこだわるのか

10/10(木) 11:30配信

Park blog

2020年、交通事故による死傷者はゼロになる? ボルボが考える最新の安全技術をモータージャーナリストの小川フミオが体験。ボルボが本社を置くスウェーデン・ヨーテボリからレポートする。

【写真】時速80kmでぶつかると、クルマはどうなる?

事故の要因となる3大ヒューマンエラーをどう防ぐか

 交通事故による死傷者をいかに減らすか。ドライバーや道路利用者の安全意識も大切だが、自動車メーカーにもまだまだやることがある。そう主張するのは、スウェーデンのボルボだ。

 2019年3月、とやや旧聞に属する話になってしまうけれど、ボルボが本社を置くスウェーデン・ヨーテボリで「ボルボ・モーメント」と題されたセミナーが開催された。世界各地から招かれたジャーナリストに紹介されたのは、安全に対するボルボの最新の取り組みだ。

「私たちは、常に人間を中心としたクルマづくりを心がけています。1927年の創業以来、絶えず安全性を念頭に置いているのも、それが理由です。ボルボは1970年代に事故調査隊を独自で組織しました。ヨーテボリから100km圏内で起きたボルボ車が関わる交通事故は、警察とともに現場に急行し、その状況をデータ化して安全性の向上に役立てています」

 ヨーテボリのフィルムセンターを舞台にしたプレゼンテーションで、ボルボ・カーコーポレーションのホーカン・サムエルソン社長兼CEOはそう話し出した。

「いまの目標は『VISION 2020』といって、ボルボの新車が関わる事故における死者や重傷者を2020年には“ゼロ“にすることです。90%以上の事故は人間が原因で起きているという認識に立って、どう目標を達成するかを考えてきました」

「ドライバーに起因する事故の要因は、いくつかあげられます。大きなものは3つ。注意力散漫、飲酒、そして速度超過です。それらへの対策によって、2020年の目標に近づけると思っています」

ドライバーを監視し事故を防ぐ技術

 ボルボによれば、前出の「注意力散漫」と「飲酒」による酩酊状態は、ドライバーの視線を追うことができる車載カメラで対策するという。眼球の動きやまぶたの動きで、異常を検知するとドライバーに警告・停車を促し、同時にハンドルやブレーキの操作も判断材料にして、統合的にドライバーの状態を把握するのだそうだ。導入は2020年前半を検討中と説明してくれた。

 先日、2020年以降に発売するボルボ車の最高速度を時速180kmに制限すると発表し話題となったが、さらにユニークな技術が「速度超過」への対応策だ。「ケアキー」と呼ばれるリモートコントロール型のエンジンキーは、車両の最高速度をプリセットできるようになっている。

 このケアキーは、車両を家族や子どもに貸し出したり、経験の浅いドライバーやカーシェアリングに提供したりする場合を想定したものだという。スピードのコントロールこそ安全につながるのは、よく知られた事実だ。

「スクールゾーンで、ドライバーが好き勝手な速度で走っているのは安全とはいえません。しかし速度を抑えていれば、なにかあったときに対応できる時間を稼ぐことができます。状況をより的確に判断し、危機回避のための行動を取る余裕が生まれるのです」

 このケアキーの実用化は、2020年を予定しているとした。

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最終更新:10/10(木) 11:30
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