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鮮やかな色彩と大胆なモティーフで魅了 『ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン』が開催中

10/10(木) 7:04配信

ぴあ

華やかで明るい色彩と軽妙な筆致で、現代でも多くの人々を惹きつける画家、ラウル・デュフィ(1877~1953)。初期から晩年までの絵画作品16点に加え、テキスタイル・デザインや関連作品135点を紹介する『ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン』が、パナソニック汐留美術館で12月15日(日)まで開催されている。

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同展は、デュフィが絵画とテキスタイル・デザインというふたつの表現媒体を軽やかに越境しながら生み出した作品群を展覧しながら、彼が目指した表現の本質と、その装飾性の意義に迫るもの。会場は、絵画にフォーカスした第1章と、テキスタイル・デザインをそのモティーフに注目する第2・3・4章で構成されている。

第1章は「絵画 生きる喜び―陽光、海、そして音楽」と題し、デュフィの絵画作品から始まる。画業の形成期には、印象派やフォーヴィズム、セザンヌなどの影響を受けながら、光やフォルム、色を追求していく中で、明るい色調と軽妙な輪郭線による独自の画風を獲得していったという。

そうして描かれたのは、デュフィが愛した陽光、海、そして音楽といったモティーフ。まばゆいブルーの海や、華やかな社交の場、華麗に装飾された室内、コンサート情景など、晴れやかで優雅な時が表情豊かに描かれる。

同展を企画した担当学芸員の宮内真理子氏は、デュフィの特徴である、色彩と輪郭線が一致しない描き方について次のように説明する。「デュフィの中では、形態と色が与える印象が完全に一致していなかった。色の方が強い印象を残したことから、輪郭線からはみ出る形で色彩が塗られているのです」。

第2章「モードとの出会い」では、女性のドレスからコルセットを取り去ったことで知られるファッション・デザイナー、ポール・ポワレとデュフィの出会いを紹介。そのきっかけとなったのが、『動物詩集またはオルフェウスの行列』という詩集にデュフィが施したモノクロ版画だ。動物や果物、花々や葉の、洗練され大胆な構図がポール・ポワレの目に留まり、デュフィをテキスタイルデザイン開発への道へと引き入れていたっという。

ポール・ポワレとコラボしたテキスタイルで好評を得たデュフィは、その後、ビアンキーニ=フェリエ社と専属契約を果たす。この時に生み出された鮮やかな色彩と大胆なモチーフのテキスタイルは、上流階級の女性たちを魅了していった。

第3章「花々と昆虫」からは、オリジナルテキスタイル、デザイン原画、プリント生地のための試し刷りに加え、現在も生産されているテキスタイルを用いた衣装作品を、モティーフごとに紹介する。

1912年から28年まで、デュフィは本格的にテキスタイル・デザインに取り組み、なかでも薔薇をはじめとするさまざまな花々や葉、蝶など身近な自然を斬新に図案化した絵柄は当時大変な人気を博したという。

第4章「モダニティ」では、テニスやダンス、闘牛など近代的なテーマを描いたテキスタイルを取り上げる。闘牛をモティーフにしたデュフィの布から、ファッション・デザイナー、クリスチャン・ラクロワが故郷アルルの民族衣装を模して作り上げたドレスも展示されている。

テキスタイル・デザインに打ち込む一方で、絵画はもちろん、室内装飾、家具、舞台デザインなども手がけていたデュフィ。晩年には彼自身が「調性画法」と呼んだ、単一色を基調としたり、色数を限定した手法を好み、印象的な色彩の美しい作品を生み出している。

また、会場の最後には、2010年にパリのシャトレ座で上演されたミュージカル『マイ・フェア・レディ』のために作られた衣装を特別展示。衣装デザイナーのアンソニー・パウエルがデュフィのテキスタイルを用いてデザインしたものだ。

自然や動植物、音楽など日常の風景を独自の表現方法で絵画やテキスタイルに取り入れたデュフィ。その鮮やかで洗練された世界をじっくり堪能してほしい。

【開催情報】
『ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン』
12月15日(日)までパナソニック汐留美術館にて開催

最終更新:10/10(木) 7:04
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