ここから本文です

[コラム]日本の輸出規制100日、安倍の誤判

10/10(木) 12:29配信

ハンギョレ新聞

 安倍政権が韓国に輸出規制をして11日で100日になる。安倍政権が7月初めに輸出規制措置を発表すると、韓国の保守マスコミはあたかも韓国経済が滅びるかのように報道した。半導体工場が一カ月以内にラインストップし、韓国企業の被害が日本の300倍を超えると主張した。安倍政権が輸出規制に続き金融報復に乗り出せば、「第2の外国為替危機」に陥るだろうとも報じた。

 だが、この100日間、そんなことは起きなかった。いや、むしろ正反対の現象が現れている。

 安倍政権の輸出規制により、韓国企業が直接的被害を受けたという報告はまだ一件もない。もちろん依然として不確実性は大きい。また、安倍政権がどんな心積もりを隠しているのかも分からない。緊張を緩めずに万全の供えを整えていかなければならない。

 望外の成果もあった。韓国の政府と企業は、材料・部品・装備産業の過度な対外依存度が招来しうるリスクを悟った。これまで推進してきた政策の問題点を捜し出し、補完する契機になった。大企業と中小企業の共生・協力のムードも造成されている。半導体材料の国産化の成功事例も聞こえてきている。

 一方、安倍政権が貿易報復をするとして、輸入規制ではなく輸出規制をした結果、日本企業らの不満が大きい。日本の7~8月の対韓国輸出が、前年同期比で8.1%減少した。韓国の対日本輸出減少率3.5%の二倍を超える。自縄自縛であるわけだ。日本企業らは、迂回輸出などで輸出規制を避けつつある。主要顧客である韓国企業を逃すまいとする一種の自己救済策だ。

 安倍政権の輸出規制は、韓国国民の怒りを触発し、日本製品不買運動に火をつけた。日本の関連産業が直撃弾を受けている。特に観光分野の被害が大きい。日本の政府観光局(JNTO)の統計を見れば、日本を訪れた韓国人観光客が、7月には前年同月比7.6%、8月には48%減少した。8月の統計が出てきた先月19日、日本の主要新聞が1面トップで扱った。それほど衝撃的に受け入れたという話だ。「メイド・イン・ジャパン」の象徴である日本産乗用車の9月の韓国販売は60%減少した。輸入車市場占有率が1年で15.9%から5.5%に縮んだ。日本産ビールの9月輸入額は6千ドルとなり99.9%減少した。事実上の輸入中断になったわけだ。

 なぜこのような状況になったのか?安倍政権がいろいろな誤判をしたためだ。

 安倍政権が輸出規制を発表した時、長時間かけた緻密な準備の末に出てきたという観測があった。今になってよく見れば、過大な評価だったようだ。安倍政権は、日本国内の“反韓感情”を背に、貿易を武器として国内政治と外交問題を解こうとした。強引な手であった。半導体材料の輸出を中断すれば、韓国がすぐにお手上げするだろうと判断したようだ。誤った情報を入力されたようだ。初めからうまくいくわけがなかった。

 第一に、輸入規制ではなく輸出規制で貿易報復をしたケースは殆どない。米中貿易紛争の核心も、関税と為替レートを通した輸入規制だ。それでも安倍政権はあろうことか輸出規制を強行した。輸出規制は、相手国のみならずグローバル供給網まで動揺させる。韓国の半導体生産が支障をきたせば、世界の電子産業が大混乱に陥る。米国と欧州の主要メディアが「成算のない貿易戦争を中断せよ」と安倍政権に警告した理由だ。

 第二に、安倍政権が韓国をあまりに見くびった。日本の経済力が韓国を上回ることは事実だが、韓国経済もこの間に急速に成長した。もはや日本に簡単にしてやられる相手ではない。

 第三に、韓国国民の断固としていながらも成熟した対応が、安倍政権の予想をはるかに跳び超えた。不買運動の初期、安倍政権は「今回も長続きはしないだろう」と蔑視した。過去とは違いこれほどまで広がるとは分からなかったのだ。

 とは言え、韓日関係がこのまま行くことは望ましくない。韓国と日本は、これまで地理的に最も近いという利点を活用した分業と協業で“ウィン・ウィン”を実現してきた。両国関係の悪化は、双方にとって損失だ。日本の良心的市民社会のみならず、保守政治家の間からも「韓国と共に進まなければならない」という声が出てきている。

 二つの変曲点が近づいている。10月22日の徳仁天皇即位式と、11月22日の韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)終了日だ。韓国政府がテコとして活用する機会だ。原則は守るものの外交的交渉力を高める時だ。

アン・ジェスン論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:10/13(日) 7:12
ハンギョレ新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事