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表現の自由と検閲禁止、理解欠いたまま あいちトリエンナーレ企画展再開も

10/11(金) 6:42配信

47NEWS

 8月1日の開幕からわずか3日で中止となって2カ月余り。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が8日、ようやく再開された。ただ展示作品を巡る脅迫や抗議は続いている。再開に反対する河村たかし名古屋市長は会場前で一時座り込み、文化庁は芸術祭への補助金支給を取り消した。これまでの経過からは、憲法に定められ、司法判断も積み上げられてきた「表現の自由」と検閲禁止が十分理解されない、まさに「表現の不自由」を見せつけられている。(共同通信編集委員=竹田昌弘)

展示拒否され見る機会奪われた作品ばかり 

 企画展の関係者によると、展示や掲載が何らかの理由で拒否され、見る機会を奪われた作品ばかりを集め、今回の企画展に引き継がれた、そもそもの「表現の不自由展」は2015年1~2月、東京都練馬区のギャラリーで開かれた。韓国人カメラマンのアン・セホンさんの写真展「重重―中国に残された朝鮮人日本軍『慰安婦』の女性たち」が脅迫や抗議により、ニコンサロンでの開催がキャンセルされたことがきっかけで、アンさんが起こした裁判を支援した人たちが不自由展の実行委員となった。 

 15年の不自由展では、アンさんの作品をはじめ、韓国の彫刻家キム・ソギョン、キム・ウンソン夫妻が制作し、ソウルの日本大使館前などにもある「平和の少女像」、昭和天皇の写真や裸婦像などをコラージュした大浦信行さんの連作版画「遠近を抱えて」、作者非公開の「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」という俳句などが展示された。少女像は12年、東京都美術館に展示されたミニチュアが4日で撤去された。大浦さんの連作版画は1986年、富山県立近代美術館が購入し、館内に展示されたが、県議会で「不快」と批判されたことなどから非公開となり、93年に売却された。「九条守れ」の俳句の作者は、さいたま市大宮区の公民館で活動する句会のメンバーで、市が発行する公民館だよりには、句会の選んだ優秀作が毎月掲載されてきたが、この俳句は2014年6月、優秀作となったのに「公平性、中立性を害する」などとして、掲載されなかった。 

 ジャーナリストの津田大介さんは当時、この不自由展を鑑賞し、あいちトリエンナーレの芸術監督になると「表現の自由を議論する材料にできる」として、不自由展の実行委員らと今回の「表現の不自由展・その後」を企画した。展示されたのは、15年不自由展の作品と新たな作品計23点(作家は16人)。 

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最終更新:10/17(木) 17:15
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