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Uberも参入、インド配車サービス市場の最新動向~自動三輪「リクシャー」の電動化とその先の進化

10/11(金) 17:00配信

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アジア各国で地元住民や観光客にとって重要な移動手段となっている自動三輪車。タイではトゥクトゥク、フィリピンではトライシクルなど各国それぞれの名称で親しまれている。

インドでは人力車が語源とされる「リクシャー(rickshaw)」という名称が広く使われている。同国全体で数百万台が走っているといわれており、都市交通の要となっている。

インドで事業展開するUberは2018年から、このリクシャーを対象にした配車サービスを開始。これに続き地元の競合Olaなどもリクシャーの配車サービスに乗り出している。

このリクシャー、現在電動化の波が押し寄せており、インド都市交通の持続可能性を高める存在として期待を集めている。リクシャーの電動化に加え、「空飛ぶリクシャー」を導入する話も持ち上がっており、リクシャーを中心に都市交通変革が進められている。

インドで進む都市交通変革。今回は、リクシャーの進化からインド都市交通がどのように変わろうとしているのか、その可能性を探ってみたい。

交通渋滞と大気汚染問題の深刻化、都市交通変革を迫られるインド

13億5000万人と中国に次ぐ人口を誇るインドでは、数百万人規模の大都市が数多く存在する。最大の都市はムンバイで人口1270万人ほど。次いで、デリー1000万人以上、バンガロール500万人以上、コルカタ460万人など。このほか100万~300万人規模の都市が40ほどある。

若年層が多く人口は増加傾向にあり、都市部への流入も増えている。都市人口の増加は今後も続く見込みだ。

これにともない都市交通の需要は大きく増加。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の推計によると、1980年比でインドの交通需要は8倍増加したという。一方、他の新興国であるインドネシア、タイ、フィリピンなどは3~4倍ほどにとどまっている。

交通需要増に加え所得水準の高まりも相まって、自家用車による移動が増加。この結果、インドでは交通渋滞と大気汚染の問題が危機的な状況になっている。

BCGは、インド4大都市(ムンバイ、デリー、バンガロール、コルカタ)での交通渋滞による経済損失は220億ドル(約2兆4000億円)に上ると見積もっている。これは交通渋滞によって無駄に消費される燃料、労働生産性の低下、大気汚染、交通事故などにかかるコストから算出されたもの。デリー単体の交通渋滞による経済損失は96億ドル(約1兆円)という。

交通渋滞がひどい印象のタイ・バンコクやインドネシア・ジャカルタ。しかし、インド巨大都市における状況はそれ以上に悪くなっているようだ。BCGが政府統計などをまとめたところでは、ラッシュ時の交通渋滞状況は、ジャカルタで79%、バンコクで105%だった一方、デリーは129%、ムンバイ135%、バンガロール162%、コルカタ171%と軒並み高い数値となっている。

増加する交通量とそれにともなう交通渋滞は、大気汚染を悪化させる要因の1つになっている。世界保健機関(WHO)が世界4,300都市の観測所のデータをまとめたところでは、最悪レベルとされる世界12都市のうち11都市がインドの都市であった。またスイスの大気汚染対策企業IQAirの大気汚染ランキング(2018年版)では、トップ20のうち15都市がインドの都市で占められていた。

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最終更新:10/11(金) 17:00
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