ここから本文です

「反日」「福島ヘイト」と批判。アーティストが作品に込めた本当の思いとは

10/11(金) 21:33配信

BuzzFeed Japan

あいちトリエンナーレの「表現の不自由展」に展示されている、現代アーティスト「Chim↑Pom」の作品「気合い100連発」が議論を呼んでいる。「放射能最高!」「被曝最高!」と言葉を叫ぶシーンがあり、「反日」「福島ヘイト」などという指摘が相次いでいるからだ。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

【画像】批判を集めている「気合い100連発」

そんな作品は、いったい、どういう経緯で撮影されたものだったのか。どんな思いが込められているのか。メンバーに聞いた。

「気合い100連発」は、東日本大震災から約2カ月後の2011年5月の撮影。

福島県相馬市にボランティアに入っていた「Chim↑Pom」のメンバーと、地元の若者による作品。津波で破壊された海際で円陣を組んだ10人が、「気合い」を入れるために100個の思い叫ぶという内容だ。

「復興頑張るぞ!」からスタート。「日本最高!」「福島最高!」「絶対負けんなよ!」「原発ふざけんな!」「放射能に負けないよ!」などとそれぞれが思いを叫んでいく様子を、淡々と記録している。

「あれは、彼らが過酷な状況を生きて行くための切実な叫びでした」

実際に撮影にも参加していた「Chim↑Pom」の卯城竜太さんは、そうBuzzFeed Newsの取材に話す。

「『放射能最高』という言葉を、なぜ彼らはあえて叫んだのか。津波に襲われ壊滅した街で、原発事故が起きて、警戒区域に指定されたエリアの横で、不安の中で生きないといけなかった。そんな一人の若者たちが、なぜこう叫んだのか。その想像力を持ってほしい」

記録すべきだと思った

「震災直後、アートに携わる人々には無力感が漂っていた。人の命も救えない。食べられるわけでもない。でも、無力だといっていても仕方がない。だから僕らは現地にいったんです」

福島第一原発事故、直後。震災から2ヶ月後の相馬市はボランティアの人手も足りていないような状況だった。メンバーたちは支援物資の搬入や泥かきなどをするために、足を運んだという。

「ある日、自分たちで魚を売っている若者に出会いました。自らが被災者でありながら、復興のためにボランティアとしても活動をしていた。絶望的な状況を、自分たちで何とかしていこうという前向きなエネルギーを持っていました」

メンバーたちは、彼に「気合いを入れ合おう」と誘った。それも100回、だ。

「あれほど過酷な状況の中でも、人々は前を向いて生きていた。僕たちはアートに何が出来るかなんて専門的なことを考えるよりも、まずはそれを記録すべきだと思ったし、何かをするなら彼らと出来る行為を選ぶべきだと思った。アートとして装ったり演出したりすることではない。彼らのリアルを、生を残したかったんです」

1/4ページ

最終更新:10/11(金) 21:33
BuzzFeed Japan

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事