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田辺市の2美術館で作品展 文人画展と日高昌克特集

10/12(土) 16:45配信

紀伊民報

 田辺市立美術館(和歌山県田辺市たきない町)は12日から、文人画コレクション展「文人画にみる心象風景」を開く。江戸時代の文人画家たちのさまざまな心象風景の表現を紹介する。熊野古道なかへち美術館(同市中辺路町近露)も同日から、特集展示「清高の画家 日高昌克」を開く。現在の御坊市生まれの日高昌克は、本業の医業を辞めてまで絵を描くことを生業とした異色の画家。両館とも11月24日まで。

■コレクション展「文人画にみる心象風景」 田辺市立美術館

 「文人画にみる心象風景」展では、野呂介石「青緑梅林山水図」(1817年)、山本梅逸「赤壁之賦」(54年)など24点を紹介する予定。江戸中期、黄檗宗(禅宗の宗派の一つ)の禅僧がもたらした中国の新しい文物や南宗画をはじめとする詩画は、日本独自の文人画と呼ばれる絵画様式として形成されていった。

 文人画家たちが描いた風景画は「写意(意を写す)」と呼ばれる想像上の風景を主とした水墨山水だった。その後、実際の景色や風物を見て描く「写実(写生)」が取り入れられることで、この「写意」を込めた実景の図は「真景図」と呼ばれ、真の山水図を描く方法として後世の文人画家たちにも受け継がれていったという。

 学芸員による展示解説会が10月19日、11月16日の午後2時からある。観覧料のみ必要。

■特集展示「日高昌克」 熊野古道なかへち美術館

 なかへち美術館では、本業の耳鼻咽喉科医を続けながら絵画の研究に没頭した日高昌克(1881~1961)の作品12点を展示する。京都府立医学専門学校(現在の京都府立医科大学)を経て1909年、日本赤十字社和歌山支部耳鼻咽喉科の初代医長に就任。11年には、和歌山市内に耳鼻科医院を開業した。14年、郷土の日本画家・阪井芳泉に師事、各画を積極的に模写し、18年ごろからは富岡鉄斎に傾倒、独自の画風を築き上げることを目指した。37年、東京・銀座で初の個展を開き、翌年には病院を長男に譲り、自身は画業に専念する決意を固めた。

 54年、関節リウマチの悪化で歩行困難となっていたため、笠田町(現在のかつらぎ町)に画室を構え、そこから見える風景を題材に作画を続けた。今回の特集展示では「秋の山」(1957年)や「初夏山荘図」(40年)などを紹介する。

 市立美術館では、田辺市中辺路町を父祖の地とする南画家、渡瀬凌雲と現在の新宮市出身の漢学者、福田静處(古道人)との交流がうかがえる展覧会「凌雲と古道人」も併催する。

 開館時間は午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)。毎週月曜休館(ただし、10月14日と11月4日は開館し、10月15、23日と11月5日は休館)。観覧料は260円。学生と18歳未満は無料。11月16日は「関西文化の日」で、両館とも観覧料が無料になる。

紀伊民報

最終更新:10/12(土) 16:45
紀伊民報

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