ここから本文です

<北朝鮮内部>金正恩氏から住民への「国家祝日の贈り物」が連続ゼロ 財政難深刻

10/12(土) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

◆9.9建国記念日に続き10.10党創建記念日も何もなし

北朝鮮の4大祝日は、2月16日の金正日生誕日、 4月15日の金日成生誕日、 9月9日の建国記念日(9.9節)、そして10月10日の労働党創建記念日(10.10節)だ。他に旧正月、秋夕(旧盆)、8月15日の光復節がある。

【写真特集】経済難でボロボの廃墟になった大コンビナート撮った(7枚)

祝日には、指導者と党からの配慮として、全住民に「祝日特別配給」があるのが通例だった。酒や食用油、肉、菓子袋、学用品、学生服などが贈られたが、それも1990年代前半まで。大量の餓死者を発生させた「苦難の行軍」と呼ばれる社会混乱が収まった2000年代になると、「祝日特別配給」は質量ともにみじめのものになり、菓子袋、食用油1本、歯磨きセット程度が出たり出なかったり。原因は財政難である。

今年の9.9節、10.10節はどうだったのだろうか? 咸鏡北道茂山(ムサン)郡に住む取材協力者は、電話で次のように伝えてきた。
「8月15日に食用油1本が出たのが最後。9.9節も10.10節も住民対象の『祝日特別配給』はゼロ。何もなかった」

一方で、党機関、人民委員会(地方政府)、司法検察機関、貿易会社などは、独自に物資を調達して「祝日特別配給」を出したという。取材協力者は腹立たしそうに次のように説明した。

◆権力機関だけ与えて人民にはナシに憤り
「権力機関では、副業して自力で特別配給を出し、党機関は貿易会社の支援を受けて、食用油、砂糖、豚肉、化学調味料などが出た。強盛会社(貿易会社)の茂山支社では、従業員に100中国元(約1500円)と白米20キロ、食用油5リットルを供給した。茂山郡の住民たちは、『国家機関は、住民には「祝日特別配給」を一切出さないくせに、自分たちや貿易会社の連中は受けとっている。とんでもなく間違いっている』と憤りの声が出ている」。

軍兵士はどうだったのだろうか? 協力者が調べたところ、茂山郡駐屯する軍部隊には、10.10節に兵士一人当たり豚肉100グラムが供給されたという。また、茂山郡人民委員会では、地元の食品工場を利用して、子供向けの国産菓子の供給を計画したが、工場側の求める代金の予算が確保できず生産できなかったという。

「国に金がないということだ。9.9節と10.10節は国家的な祝日だから、何がしかは住民に供給し、これまで中断されたことはなかった。今年は歯ブラシ1本、歯磨き粉ひとつ供給できなかった」
協力者は報告をこう結んだ。

なお、2018年度も、10.10節「祝日特別配給」は皆無だったという報告が各地から届いていた。(カン・ジウォン)

最終更新:10/12(土) 5:10
アジアプレス・ネットワーク

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事