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【ラグビー】ゲームのカギを握る日本代表の司令塔・田村優の魅力

10/12(土) 19:51配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 正確なキックで試合をコントロールするだけではなく、 ペナルティーゴール、コンバージョンゴールで40得点をマークした。 大会の得点ランキングでも首位(10月11日時点)に立つ世界も注目するプレーヤー、田村優の魅力とは。


 2019年10月5日、愛知・豊田スタジアム。ラグビーワールドカップ日本大会の予選プールA・第3戦のサモア代表戦に挑んだ。不動のSOとして、3戦連続での先発だった。

 チームでは、いつもジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、トニー・ブラウンアタックコーチらの計画を選手たちが、かみ砕いて準備を進める。この日も、その流れで、序盤はロングキック重視の戦法を取った。パワフルなサモア代表を後退させ、体力を削るためだ。前半2分、7分には、ペナルティーゴールで得点を刻むなど、ほぼ思惑通りに試合を進められた。

 しかし、足踏みをしたのも確かだった。接点でランナーを孤立させて反則を招いたり、タックルされた際に球をこぼしたり、思うように相手を引き離せなかった。円陣を組むたび、田村が強調したのがプラン遵守への意識だった。

 それでも意志は貫いた。19-12とリードして迎えた後半13分。敵陣中盤でテンポよく攻めるなか、田村が左側でボールをもらう。防御網の乱れを見定め、さらに左前方へ鋭いキックを転がした。相手は慌てて戻るしかなかったが、その弾道は日本代表のレメキ ロマノ ラヴァも追っていた。キック処理した相手選手に勢いよくぶつかり、そのままタッチラインの外へ押し出す。日本代表は直後のラインアウトからモールによるトライを決めるなどし、26-12と点差を広げた。

 試合終了間際にはチーム4本目となるトライもマーク。勝ち点制の予選プールにあって、4トライ以上奪取によるボーナスポイントも含めて勝ち点5を積み上げた。9月28日にアイルランド代表にも勝利していた日本代表は予選プールAで5チーム中1位のまま予選プール最終戦を迎える。相手は欧州6強の一角、スコットランド代表だ。

 司令塔として期待される田村は、身長181センチ、体重92キロの30歳。いつも遠くを見つめているような瞳をあちこちへ動かし、仲間の声を聴き、ラン、パス、キックを使い分ける。指示伝達のスピードにも定評がある。開幕前には、こんな心境を口にしていた。

「もちろん、プレッシャーは、あります。期待が大きいのもわかっています。でも、僕自身はプレッシャーがある方が好きですし、そこから逃げるつもりはない。まず、プレッシャーと向き合いたくなかったら、代表を辞めています」

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