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「新聞は役割を考え直さないといけない」…ネット時代突入 ジャーナリストの見解は?

10/12(土) 7:10配信

TOKYO FM+

さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYO FMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。10月5日(土)放送のテーマは「新聞」。今回は、元産経新聞記者でジャーナリストの福島香織さんに「SNSの普及で変わる新聞の役割」について伺いました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2019年10月5日(土)放送より)

── SNSの普及は新聞にも影響がありますか?

何か事件が起きたときに、警察がわざわざ新聞社に教えてくれるわけではありません。そこで新聞記者が警察にずっといて、何かが起きていないか様子を窺っていました。町で消防車のサイレンを耳にしたら、追いかけて現場を確認するなど、今まではそうやって記者が情報を集めないと、世の中で起きている事件を把握することができなかったんです。

でも今はSNSの普及によって、現場に居合わせた人が「今、こんなことが起きています!」と発信できるようになりました。それは記者が現場に駆けつけるよりもよっぽど早いし、もしかしたらその瞬間を捉えた衝撃的な写真もあるかもしれません。そんなSNSの普及によって、新聞記者だけが知っていることはほとんどなくなったと言っていいでしょう。

── 新聞記者にとって、記事が一面に載るのは名誉なんですか?

苦労して取材して原稿を書いた新聞記者としては、やっぱりできるだけ多くの人の目に触れてほしいので、自分の記事が一面に載ったときはうれしいですね。新聞記事の評価はとてもわかりやすくて、ニュースとしておもしろい良い記事だと、載る場所が上(一面や社会面)にきます。どこに記事が載っているかで、記事の評価がわかるんです。

でもネット時代の今、記事の評価はアクセス数やコメントに移りつつあります。それは良い部分もあって、以前はデスクとの人間関係に配慮しなければいけませんでした。でもネットの原稿なら読者のことだけ考えて書けば良いのは利点でしょう。読者にウケようと誇張して書いたりしないように気をつける必要はありますが。

── ネット記事の見出しには何度も騙されています!

“読ませてなんぼ”みたいな見出しの騙しはあると思います。昔ながらの新聞の紙面では、見出しは一種の職人技みたいなところがあって、ちゃんと誇りがありました。でもネット記事はとりあえずページをめくらせて閲覧数を増やすために、わざと読みづらい構成になっていることもあります。さすがに新聞社が配信した記事では、そういうことはないだろうと思いますが。

毎朝5時に届く新聞は、今や「前日の記事」でしかなくなってしまいました。ネットが普及した今、それは過去の記事にすぎず、ネットではその瞬間に起こっている事件がライブで伝わります。以前は“被災地へ新聞を届けて情報を伝えなくては”という使命感がありましたが、その役割もネットが担っています。記者が取材をして記事を書くよりも、被災者のリアルな声のほうが説得力があるので、新聞はその役割をもう一度考え直さないといけないと感じています。

最終更新:10/12(土) 7:10
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