ここから本文です

相続対策は財産の可視化から!財産目録の作成方法の基本を解説(3)

10/12(土) 10:03配信

ファイナンシャルフィールド

家族で財産の状況を共有し、相続対策を検討する際には、財産目録(財産・債務一覧表)を作成することが有効です。過去2回にわたって財産目録を作成する目的や財産の評価方法について概説しました。

3回目となる本稿では、財産の評価額を減額できるポイントを確認した後に、実際に相続税額を概算で算出するプロセスを説明します。

相続財産の評価減額のポイント

相続税の計算に際して、相続財産に負の財産である債務があれば、課税遺産総額から債務分を控除できます。また、各種特例や非課税の控除が適用できるものがあれば、同様に減額でき、相続税額を抑えられます。減額項目としては、大きくは債務、葬式費用、小規模宅地等の特例、生命保険金の非課税などがあります。

(1)債務
金融機関、取引先などからの借入金や、相続開始時点における未払税金などの債務は、相続財産から控除することができます。ただし、相続税法上、債務控除の対象となる債務は、相続開始時点で現に存在する確実なものに限定されるため保証債務は控除の対象とはなりません。

相続対策としての財産目録を作成するうえでは、作成時点における借入金残高を記載しておきましょう。なお、借入金が団体信用生命保険付の住宅ローンである場合は、相続開始と同時に保険金が金融機関に支払われることで、住宅ローンの残債が返済され、債務控除の対象とはならないため記載は不要です。

(2)葬式費用
葬式費用、お布施などについても、債務と同様に相続財産から控除することができます。財産目録を作成するうえでは、一般的な葬式費用(100万円~500万円程度が目安)を記載しておきましょう。

(3)小規模宅地等の特例
「小規模宅地等の特例」は、相続人の生活基盤を維持するという観点から、相続で取得した宅地等について、一定の要件に該当する場合に、評価額を大幅に減額できる制度です。この特例では、土地の用途によって適用対象面積と減額割合が決まっています。

たとえば、被相続人が相続開始の直前に住んでいた宅地で以下の条件を満たす場合には、特定居住用宅地等として330平方メートルまでの部分について課税価格に算入する金額を80%減額することができます。

・配偶者が取得する場合
・同居親族が取得して、申告期限まで引き続き居住し、かつ保有している場合
・配偶者も同居親族もおらず、一定の別居親族(※)が取得して、申告期限まで引き続き保有している場合
※相続開始前3年以内に本人またはその者の配偶者、3親等内の親族、特別な関係にある法人が国内に所有する家屋に居住したことがない人。または相続開始時に居住していた家屋を過去に所有していたことがない人

財産目録を作成する時点では、まずは、上記の特定居住用宅地等の条件に該当するか否かを確認したうえで、あてはまりそうであれば、詳細を確認してみるとよいでしょう。本特例については適用要件が非常に複雑であり、具体的な検討に入る際には専門家に相談するようにして下さい。

(4)生命保険金の非課税
相続人等が被相続人の死亡により、生命保険金を受け取った場合は「500万円×法定相続人の数」だけ非課税の適用があります。たとえば法定相続人が妻と子2人の場合は500万円×3人=1500万円まで非課税となります。

財産目録作成に際しては、保険証券を確認して、被相続人が契約者(保険料負担者)かつ被保険者であり、保険金受取人が相続人である生命保険契約があれば、上記算式に基づいて非課税額を記載しましょう。

1/3ページ

最終更新:10/15(火) 10:36
ファイナンシャルフィールド

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事