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ドラフト1位候補・石川昂弥の強い「こだわり」とは? 東邦を30年ぶり選抜優勝に導いた天性のスラッガー

10/12(土) 19:01配信

REAL SPORTS

プロ野球ドラフト会議が今年もいよいよ、10月17日に開催される。どの球団が誰を指名するのか、その行方に注目が集まる中、上位指名を期待されているのが、石川昂弥だ。春のセンバツでは投打にわたる活躍で東邦を30年ぶりの優勝に導いた主将には、強い「こだわり」があった――。

中学時代から注目されていた「野球エリート」

――本当に、投手にはまったく興味がないんだな……。

10月17日に行われるドラフト会議で上位指名が確実視される東邦・石川昂弥を取材して感じた、率直な感想だ。

石川は中学時代からNOMOジャパンに選出されるなど、早い時期から世代を代表する打者として注目され、卒業後は両親も通っていた地元の名門・東邦に進学。1年春からベンチ入りを果たし、主に三塁手としてチームの主軸を担った、いわゆる「野球エリート」である。

能力の高さは、世代でも群を抜く。2年夏の県大会では6試合で打率.737という驚異的な数字を残し、新チームでは主将に就任。さらに、本職の三塁だけでなく投手も任された。

名実ともに「石川のチーム」となった東邦は秋季県大会、東海大会を制し、今春行われたセンバツに出場。石川は背番号1を背負い、投げては全5試合で勝利投手に、打っては3本塁打を放ち、センバツ優勝の立役者になった。

特に決勝の習志野戦は、まさに「一人舞台」。先発マウンドに上がると習志野打線を散発3安打に封じ込め、わずか97球で完封。3番打者として3安打2本塁打4打点。投打で高いポテンシャルを見せ、チームを頂点へと導いた。

そんな石川を取材したのは今年の6月。センバツも終わり、夏の県大会を目前に控えた時期だった。

「打者」へのこだわりと、チーム事情による投手起用

センバツでの好投があったとはいえ、プロからの評価はあくまでも「打者・石川」。とはいえ、甲子園優勝という誰もが憧れる瞬間をマウンドで味わったことで、石川本人に何か心境の変化はなかったのだろうか――。そんなことを想定しながら本人に話を聞いたが、返ってきた答えは何があってもブレない、「打者へのこだわり」だった。

大活躍を見せた甲子園決勝についても、「完封したこと、優勝の瞬間をマウンドで迎えられたのは確かにうれしかったですけど、やっぱり本塁打を2本打てたことの方が喜びは上でした」と断言。投手としての起用はあくまでもチーム事情によるもので、「本心は今でも打者に専念したい?」という質問にも、苦笑いを浮かべながらしっかりとうなずいた。

確かに石川のプレーを見れば、そのポテンシャルは間違いなく「打者」の方が高い。センバツ時には一部で「二刀流」などと騒がれたが、上の世界でプレーするのであれば選択肢が打者なのは明らかだ。

それでも、全国の舞台であれほどの投球を見せれば、投手としてのやりがいや喜びを感じてもおかしくない。にもかかわらず、石川本人はあくまでも「打者として勝負したい」と、強い口調で語る。普通の高校生なら、本心は別にしても「投手としてもチームに貢献したいです」と優等生発言してもいいものだ。しかし石川の言葉の端々からは「プロで、打者としてやっていく」という、正直かつ強固な思いが感じ取れた。

そして、その思いを誰よりも理解していたのが、同校を率いる森田泰弘監督である。森田監督は石川について「東邦に入ってきたころから、打者としてプロに行きたいという目標を持っていた」と語る。しかしその一方で、チームを率いる指揮官としてのジレンマも抱えていた。

「理想は、石川は打者に専念させること。ただ、少なくとも秋、春の時点で彼以上の投手がチームにはいなかった」

教え子が打者に専念したい気持ちはわかる。しかし、それ以上にチームを勝たせるためには石川を投手として起用せざるを得ない。

石川の野球選手としての能力が高いが故の悩みだ。

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最終更新:10/12(土) 20:44
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