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2人の最高の人材…なぜ「理」と「情」は融合しなかったのか 楽天の監督交代劇に感じる「もったいない」

10/12(土) 16:43配信

中日スポーツ

 「なぜ」か、それとも「当然」か。楽天の監督交代劇は賛否が割れている。チームの編成、強化を一任されている石井一久ゼネラルマネジャー(GM)が自分の色を濃く反映できる指揮官に託すのは、職務からして当然だろう。一方、球団初の生え抜き監督を就任1年で交代させたことには地元ファンの反発がある。「理」と「情」がぶつかる構図だ。

 石井GMは、現役時代は奔放な発言で人気だった。一般的には「自由人」のイメージが強い。自由だけでは無責任だが、石井GMは「知」の人でもあり、野球脳にたけている。その理論には三木谷オーナーも一目置くと聞く。

 その石井GMが「中長期的に優勝を目指せるチームづくり」と来季を託したのは、走塁指導には定評のある三木肇2軍監督だった。「かくあるべし」の骨格をまず定めるのは、チームづくりの順序として定石。GMは豊富な知識と自身のメジャー経験を生かし、合理的なチーム改革を進めようとしているように見える。

 頭では分かっていても…と、割り切れないのが「情」の人々だ。2018年途中から監督代行を務め、今季から正式に任に就いた平石洋介前監督は、楽天のドラフト1期生。現役引退後もコーチとしてチームの中にいた完全なる生え抜きだ。故・星野仙一元監督も、楽天の未来を担う人材として重宝した。

 PL学園高から同志社大、トヨタ自動車と名門を歩んだ経歴通り、やはり野球脳は高い。さらには、「天性のリーダー」でもある。松坂大輔の横浜と名勝負を演じたPL時代のチームメートは入学直後、誰が口に出すこともなく「自分たちの代の主将は平石だな」という空気が早くも出来上がっていたという。おそらく、仙台の人も同じような感覚を抱いていたのではないか。「生まれてからずっとそばにいた」家族であり、未来を託す宝でもあった。

 この2人の卓越した魅力を二人三脚で生かし合うことができれば…。きっと、「理」と「知」と「情」が溶け合って、理想的なチームができたのではないか。今は「もったいない」の思いしかない。(井上学)

最終更新:10/12(土) 16:43
中日スポーツ

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