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竹村京が個展で蛍光シルクを用いた新作を発表。マドレーヌ・ヴィオネのデザインと共鳴し、鑑賞者を糸の先の世界に誘う

10/13(日) 9:06配信

美術手帖

 写真やドローイングと刺繍を組み合わせた作品などで知られるアーティスト、竹村京の個展「Madeleine. V, Olympic, and my
Garden」が、東京・六本木のタカ・イシイギャラリーをで開催される。本展は、竹村にとって同ギャラリーでは3年ぶりの個展。会期は10月19日~11月22日。


 竹村は1975年東京都生まれ。98年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業後、2002年に同大学美術研究科修士課程絵画専攻(油画)を修了。04年にはベルリン芸術大学を卒業し、同年から3年間文化庁芸術家在外研修員としてベルリンに滞在した。その後も15年までベルリンを拠点に活動を行った。

 その後帰国し、群馬県高崎市に居を構えた竹村。19年に群馬県立近代美術館で開催された長島有里枝との2人展「まえ と いま」
では、東京にあった実家の取り壊しと両親の高崎への移住を機に、東京と高崎、過去と現在をオーバーラップさせ、実家の庭にあったイチョウで染めた絹糸、そして群馬で巡り会った蛍光シルクを用いて、記憶と時間を作品化した。この展覧会に際し制作された《Time
Counter》(2019)は、竹村が絹糸に出会った翌年に自身の時間を取り戻すために試みた、一定の幅を縫い続ける作業から出発した作品だという。

 本展では、新素材である蛍光シルクを用いた刺繍、ドローイングと刺繍から成る新作より11点を見ることができる。展覧会のタイトルにも通じる《Olympic my
Garden》(2019)は、これまで竹村が過ごした土地や家族との記憶に深く残る庭の木々が幾何学模様となり、ペインティングと色に関する問題の考察を深めながら、さらなる時間軸を行き来するというもの。


 同作を通じて竹村は、日本の着物の構成法から着想を得たバイアスカットから、古代ギリシャのスタイルまでも操ったマドレーヌ・ヴィオネによるデザインと共鳴し、鑑賞者を、絹糸の先にある目には見えない場所へと導くことを試みる。

 「世界の共通言語」を追い求めてきた竹村が世界と繋がるために生み出した作品群。そこから立ち現れる、過去・現在・未来が交差する景色を目撃したい。

最終更新:10/13(日) 9:06
美術手帖

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