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死と隣り合わせのボリビア人喰い鉱山で働く青年は何を食う?

10/13(日) 21:01配信

テレ東プラス

ヤバい人たちのヤバい飯を通して、ヤバい世界のリアルを見る。

南米に位置するボリビア多民族国。人口は約1121万人。1825年にスペインの植民地から独立し、公用語はスペイン語。平均月収は約7万円。

首都ラパスから鉱山までは約400km。落盤事故や窒息性ガス事故により毎月平均14人の死者が出ており、取材の2週間前にもガスの事故で5人が亡くなったという。鉱山が拓かれてから現在まで800万人の犠牲者を出し、ついた呼び名は“人食い鉱山“。この人食い鉱山で働く人々は、一体何を食うのか?

労働者がよく来る、人食い鉱山の麓の食堂へ。15歳から鉱山発掘に従事しているのだというパウル(22歳)が「安全の保証はできない」と言いつつも、このまま鉱山へついて行くことを了承してくれた。町営バスで向かう道中、鉱山の仕事はどうなのか聞いてみた。

「金は稼げる仕事だね」

到着したセロ・リコ鉱山(通称・人食い鉱山)は、標高約4600m。先を歩いていたパウルは、足場の悪い所でもたついていた取材ディレクターに気付き、わざわざ戻ってきて「気をつけて」と声をかけてくれた。

小さな穴ぐらの中で作業着に着替えるパウルの手には小さな袋が。中身はコカインの原料、ボリビア産のコカの葉(1袋70円)だ。「力の源だよ」とコカの葉を頬張るパウル。ガムのように噛むと、空腹感や眠気を防いでくれるという。

着替えると外に出て、青空の下、ほかの労働者たちとコカの葉をつまみにポトシビール(1リットル300円)を飲む。午前10時、口いっぱいにコカの葉をためて、いよいよ仕事へ。

狭い坑道をどんどん奥へと進んで行くパウル。今日は銀を探しに、800m先まで行く。奥に行けば行くほど崩れる危険が高まるという。と、急に「端に寄れ!」と言われ慌てて壁沿いへ寄ると、トロッコが通って行った。轢かれると大ケガに繋がる。

途中、「ティオ」という鉱山労働者の守り神の像が。アルコール度数96%の酒を取り出したパウルはティオに酒をかけ、自らも飲む。

ここからは、人ひとり通るのがやっとの道。粉塵にまみれて四つん這いになりながら、危険あふれる中を進むこと40m、ようやくパウルの仕事場に到着。地上の入口から1時間かかり、800m地点に到達した。

さっそく銀を求めて採掘を始める。銀は1g=約60円で、1日の稼ぎは良いときで3000円、悪い時は800円。完全歩合制で、稼ぎの10~20%を鉱山管理者に納める。

まず、パウルは危険なガスの有無をライターで確かめる。強いガスを吸うと3秒で死ぬという。採掘中、もろい岩肌が崩れ落ちてきた。パウルは、16歳のとき大きな岩が落ちてきて大ケガをしたことも。危険は、すぐ隣りあわせだ。

あだ名は「オソ(働き者)」だというパウルはひたすら採掘を続け、ついに銀が出てきた。かなり大量で「君たちが運を持ってきてくれたんだ」と喜び、「ここで一緒に働かない?」と冗談も飛び出した。

採掘開始から4時間、50kgほどの銀を含んだ鉱石が採れた。1万円分くらいはあるという。「こんな良い日はめったにないよ」とご機嫌なパウルは、ペットボトルの水にオレンジジュースの粉を溶かし、アルコール度数96%の酒を入れてシェイク。「人食い鉱山のオレンジカクテル」だ。

「ちょっと薄いかな」と酒を追加し、まるで水のようにグイグイと飲むパウル。さすがに酔ってきた様子だ。銀がたくさん採れた時はつい飲み過ぎてしまうらしい。

なぜ鉱山で働くのか聞いてみた。

「昔から鉱山労働者の息子は鉱山で働くのが当たり前。だけど俺は、それは変だと思う。父は粉塵で肺をやられて働けなくなったし......」

それでも鉱山で働くのは、10代で結婚して、家族を養うためにお金が必要だったからだ。

身の上話を聞く取材ディレクターに、パウルはこうつぶやいた。

「俺のことかわいそうだと思ってない」

最後に、岩が硬い所にダイナマイトを仕掛けて爆破する。爆破後は大きな落盤の危険があるため、翌日まで採掘は行わない。これで今日の作業は終わりだ。パウルは50kgの鉱石を背負い、酔いでふらつきながら800mの道のりを戻る。

7時間ぶりの地上。今日は酔っ払っているので、銀は明日売りに行くようだ。鉱石は企業に買い取られ、外国(日本も含む)へ輸出される。

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最終更新:10/13(日) 21:01
テレ東プラス

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