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来日間近、ビジネスにも精を出すタイガー・ウッズの視線の先にあるものは?【舩越園子コラム】

10/14(月) 15:12配信

ゴルフ情報ALBA.Net

来週、日本で開催される「ZOZO Championship」に出場するため、間もなく日本へやってくるタイガー・ウッズ(米国)。8月に生涯5度目の膝の手術を受け、以後、クラブを振れない日々を過ごしていたが、ここ5週間の準備期間を経て同大会に挑もうとしている。

タイガー・ウッズのドライバースイング【連続写真】

そんな中、ウッズはビジネスにもぬかりない。つい先日もゴルフ事業を展開するための新たな契約を結んだばかりだ。

ウッズと彼のすべてをマネジメントするTGRは、ポップストローク・エンタテイメント・グループとパートナーシップを結び、ウッズ自身、「みんなが楽しめるゴルフコースを作ることを目指している」と意気込みを語った。

ウッズ主導で作るゴルフコースなのだから、さぞかし難度が高く、距離も長いチャンピオンシップコースに違いないと誰もが想像するだろう。だが、驚くなかれ、ウッズらが手掛けていこうとしているのは、パター1本でプレーするパッティング・コースなのだ。

2018年からスタートしたポップストローク・エンタテイメント社は、すでにフロリダやアリゾナなど米国内3か所にパッティング・コースを作り、営業を開始している。今後は、ウッズとTGR、そして同社が協力し合い、パッティング・コースを増やしていく構想だという。

パッティング・コースと言っても、遊園地やショッピングモールの一角にある昔ながらのパット・パット・ゴルフとは180度異なるものを指している。ハイテクノロジーを駆使して設計された近代的で高級感溢れるパッティング・コース。各打席には数名がくつろげるソファやテーブルなどが完備されており、グループで過ごせる個室のような独立スペースになっている。

使用するボールは特殊な「iPuttボール」というもの。スマホなどに専用アプリを入れておけば、「iPuttボール」を転がすたびに、航空会社のマイルを溜める感覚で、ストロークを溜められる。アプリで事前予約しておけば、高級レストラン並みのフード&ドリンクを打席までデリバリーしてもらえるサービスもある

それにしても、王者ウッズが手掛けるゴルフ事業が、なぜゴルフコース作りではなくパッティング・コース作りなのだろうかと首を傾げる方々もいるだろう、これは、人生の山谷を経て復活したウッズの視線の向け方が大きく変化したからにほかならない。

「以前の僕はゴルフ界を担っていく子どもたちの育成ばかりを考えていたけど、今では未来を担う子どもたちの育成こそが大事だと思うようになった」

かつてはジュニアゴルファーのレッスンに力を入れていたウッズ。だが、今では自身が経営する「タイガー・ウッズ・ラーニング・センター(TGRラーニング・ラボ)」で世界中から集まってきた子供たちに数学や化学技術を学ばせている。

「ラボで学んでいる子どもたちは(ゴルフを知らない子ばかりのせいか)“タイガー・ウッズ”は人物の名前ではなく、その学校の建物の名前だと思い込んでいる。でも、僕はそれで構わない」

そう言って苦笑していたウッズだからこそ、ゴルフ事業への視線の向け方も変わったのだろう。一流チャンピオンシップコースの設計監修もさることながら、もっと大切なのは、多忙な現代人に手軽にお洒落にゴルフの楽しさに触れてもらう機会を創設することではないか。そんな発想と考え方が、ウッズを新たなパッティング・コース作りに走らせた。

「僕の一番幸せな思い出は、幼いころ父と一緒にゴルフ場の片隅でパット合戦をしたことだ。たくさんの人々にそういう時間を持ってもらいたい。どんな年齢、どんなスキルレベルのゴルファーにも楽しんでもらいたい」

ゴルフの少数精鋭に目を向けるより、大勢の庶民の幸せを願う。今、ウッズの視線の先にあるものは、みんなのハッピーライフだ。

文・舩越園子(ゴルフジャーナリスト)

(撮影:GettyImages)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:10/14(月) 15:12
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