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あいちトリエンナーレが閉幕へ 津田芸術監督「情報によって煽られた問題を、アートの力で乗り越えられた」

10/14(月) 19:35配信

BuzzFeed Japan

テロ予告などで特別展示「表現の不自由展・その後」が会期3日目に中止され、10月8日に再開にこぎつけた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」が14日、閉幕する。

今回、芸術監督を務めたジャーナリストの津田大介氏は同日、参加アーティストやスタッフらと75日間の会期を振り返るリレートークを開催。今後、文化庁の助成金不交付の決定を撤回させるように取り組む意思と、この騒動を総括する書籍の執筆を考えていることを明らかにした。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

*「いつまでも語られる展覧会になった」
リレートークは会場の一つとなった愛知芸術文化センターで、津田芸術監督が、参加アーティストやキュレーターらと順番に語り合う形で行われた。

最初に登場したのは、豊田会場で廃校のプールの底を持ち上げた作品を展示した高嶺格さん。

高嶺さんは、「いろんなことが考えられるベストなことになっているんじゃないかなと思っている。役者が揃っていて、津田さんはじめ、大村秀章・愛知県知事、河村たかし名古屋市長、文化庁、それぞれのキャラがある」

「現代美術は社会にどういう提言ができるか作品の中でトライしていると思うのですが、こんな風に、作品や展覧会を超えて現象になった例はないと思う。いつまでも語られる展覧会になった」と振り返った。

さらに、「考えさせられたのは、作品を見ていない人にどう伝わるかを考えなければいけないということ」と、作品を見ていない人の間で激しい対立が起きた特殊な状況についての思いを語った。

Naoko Iwanaga / BuzzFeed
高嶺さんの作品「反歌:見上げたる 空を悲しも その色に 染まり果てにき 我ならぬまで」

「アーティストたちの動きがなければ再開できなかった」

「あいちトリエンナーレ」では「表現の不自由展・その後」の中止に抗議する作家らが展示をボイコットするなどの動きが出て、10月に再開されるまで展示作品の全容を観客が楽しめない時期が長く続いた。

「見に来るたびに展示をボイコットする、変更する作家が出たり、アーティストが新しい動きを始めたり、こうして再開したり。こんなに75日の会期中に展示やトリエンナーレが変わっていく展覧会もなかったかと思う」とアートライターとの対談で津田さんは振り返った。

だが、日本人の参加アーティストたちが再開のために、「ReFreedom_Aichi」というプロジェクトを始め、一部のアーティストが名古屋市内に自主的に設置した「サナトリウム」(療養所の意)などで観客と対話したり、アーティスト自らが「コールセンター」を設置したりなどの動きがあったことに触れ、津田さんはこう述べた。

「まとまることが一番苦手な人たちが一つの目的で連帯してReFreedom_Aichiをやってくれたおかげで、トリエンナーレはいろんな人の思惑がぐちゃぐちゃになっているので、それを解きほぐす役割をアーティストのコミュニケーション能力と発想力で果たし、再開に向かっていった。あの動きがなければ間違いなく再開はできなかったと思います。本当にありがたかった」

そして、10月8日の再開と共に、展示をボイコットしていた全ての作家が展示を再開したことについて、津田さんはこう述べた。

「全部の作家が戻ってきたことが重要。一度、こうして展示が中止やボイコットされた国際展覧会が復活して、このような形で終えるのは世界的にも事例としては少ない」

そして今後、やるべきこととして、二つのことをあげた。

「文化庁の不交付の問題はちゃんとやらなくちゃいけない。ちゃんと撤回をしていただきたい。あとは、この騒動はなんだったのかということは自分なりの視点や立場でしか書き得ないことがあると思うので、取材して追加の情報なども入れて、じっくり単行本にでもしようかとは考えてはいます」

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最終更新:10/14(月) 19:35
BuzzFeed Japan

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