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相次ぐパタハラ訴訟は男性が育休で干される社会を変えられるか。厳しい海外メディアの視線

10/15(火) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

男性育休や育児をする男性への嫌がらせであるパタニティー(父性)ハラスメント、いわゆるパタハラへの関心がここ数年で、高まっている。男性の育児休業取得率が2018年で約6%という社会に、パラダイムシフトは訪れるのか。

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パタハラ議論を加速させた一つのケースがある。

育児休業の取得をきっかけとしたパタハラでうつ病を発症し、療養後も正当な理由なく休職命令を受けたとして、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に特命部長として勤務していた、グレン・ウッド(Glen Wood)氏(49)だ。ウッド氏が同社を相手取り、損害賠償などを求めた訴訟を東京地裁に起こしてから2年近く。訴訟は現在も係争中で、10月9日には証人尋問が開かれた。地裁前には傍聴券を求める人の列ができ、支援者らが集まった。

「この2年間で、応援してくれる人が増えました。メディアも取り上げてくれるようになり(パタハラをめぐって)#MeTooに近い動きが日本でも起きたと思います」

この日の尋問を終え、法廷を後にしたウッド氏はBusiness Insider Japanの取材に対し、社会の変化を感じていると語った。ウッドさんの提訴は2017年12月のことだ。

モルガン側「なぜこんな主張に」

10月9日に公開された尋問で、被告である三菱UFJモルガン・スタンレー証券の証人として法廷に立ったのは、ウッド氏の上司だった男性だ。

育休復帰後にウッド氏が海外出張や会議から外されるなどのハラスメントを受けたと主張している点について、「海外出張は初めて行った時以外は私の指示ではなく、(ウッド氏は)自分で行きたい時に行っていた。復帰後に出張の相談はなかった」と反論。意図的に外した事実はないと強調した。

「休業中はみんなで一生懸命フォローした。なぜこんな主張になったのか、今でもわからない」

と、ハラスメントそのものを否定した。

一方、原告側の証人でウッド氏と共に働いていた男性は、ウッド氏の上司から、ウッド氏の欠点を探るような電話が突然かかってきたと証言。ウッド氏が上司らからハラスメントを受けていたとし、

「(ウッド氏は)会議で話を遮られたり、提案が役に立たないとされたりしていた」

と通訳を介して述べた。

同日の法廷でウッド氏は育休からの復職後について

「マネジャー職を取り上げられ、大好きだった仕事を干された。部下や同僚に『グレンはもう帰ってこない』『信用できない人物だ』と言いふらされていたと知った」

と話し、当時受けたショックについて訴えた。

訴状によると、ウッド氏は育休取得が認められなかった際に受けた苦痛と、育休を取得した後に受けた不利益に対する慰謝料200万円に加えて、未払いの賞与や賃金など合計約3900万円を、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に請求している。

同社はウッド氏の主張は事実に反し名誉と信用を傷つけたとして、2018年にウッド氏を解雇した。ウッド氏側は、これを不当解雇だとして、地位確認も求めている。

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最終更新:10/15(火) 23:01
BUSINESS INSIDER JAPAN

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