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「家は潰れるとゴミなんや」被災して選んだ「茅葺き職人」 「貧乏くさい」わけがない!国際会議で訴え

10/21(月) 7:00配信

withnews

茅葺きの家は「貧乏くさい」。日本の茅葺き職人の男性は、高齢の住人がそう話すのを何度も目にしてきました。「そうじゃない」と証明するために茅の可能性を探し続けています。5月、茅葺きの未来について話し合う「国際茅葺き会議」が岐阜県で開かれました。舞台に立った男性は「茅葺きは知恵の象徴だと証明できた」と、ようやく確信を得ました。(朝日新聞名古屋報道センター記者・山下奈緒子)

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欧州ではステータスシンボル

神戸市の相良育弥さん(39)は、国際茅葺き会議で日本代表の一人として日本の現状などを説明しました。

欧州などでは茅葺きの価値が変わり、今では新築が建ち、エコロジーの観点からステータスシンボルに変わってきている国もあります。

相良さんは何度も欧州へ足を運び、日本との違いを肌で感じてきました。

相良さんは各国との意見交換で呼びかけました。

「日本は遅れているのが現状。ヨーロッパはノスタルジー(郷愁)を振り切っている。選べる豊かさを目の当たりにした。日本ではまだ茅葺きの認知度が低く、新築を建てて住むことがリアルではない。一人でも多くの人に知ってもらいたい」

「ノスタルジーを振り切っている」

「茅葺きは建築物とみられることが多いが、生き方の一つの呼び方だと思う」とも語った相良さん。きっかけは1995年の阪神大震災でした。

中学3年だった相良さんは自宅で地震に遭いました。自宅にはヒビが入り、近くの道路は陥没。よく遊びに行った神戸の繁華街はビルが倒壊していました。

その光景を見て「家は潰れるとゴミなんや」と感じたといいます。大工と農作物を育てていた祖父を見て、生きる力とは何かを考えました。

「百姓になりたい」

祖父の田んぼで自給自足を始めた相良さん。軌道に乗らず試行錯誤をくり返していた時、葺き替えのアルバイトに誘われました。

2カ月ほどかけて1軒の屋根を葺き替える。ある日、親方に「百姓になりたい」と打ち明けました。

「百の技を持っている人が百姓だとしたら、まだ三姓くらいですけど」と話した相良さんに、親方は「茅葺きの中に10は詰まってるで」と返しました。

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最終更新:10/21(月) 7:00
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