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台風19号でわかったギャラリーのありがたみと競技成立への努力【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】

10/15(火) 17:56配信

ゴルフ情報ALBA.Net

47河川が決壊し、66人が死亡(10月15日現在)するほどの猛威を振るった台風19号。12日午後7時前に伊豆半島に上陸してから60時間以上経った時点でのこの数字が、確定ではなく、全容がわからないほど、被害は強烈だった。

無観客だと渋野日向子の周りもこうなる…【写真】

プロツアーへの影響も大きかった。静岡県(東名CC)で行われた女子ツアーの「スタンレーレディス」は、2日目を中止にして最終日を9ホール競技として27ホールに短縮。千葉県(袖ケ浦CC袖ケ浦C)が舞台の男子ツアー、「ブリヂストンオープン」は、土日を中止にして36ホールの決着として。茨城県(サミットGC)のシニアツアー、「日本プロゴルフシニア選手権」は、土曜日のみ中止の54ホールと、対応がわかれた。

女子ツアーに関していえば、予報によって初日(11日金曜日)の早い時間に、台風直撃が予想される土曜日の中止を決定。最終日については様子見だったが、最終的にどうするかを決める前に、ギャラリー入場不可。つまり無観客試合にすることが発表されていた。結果的には日曜日のスタートを調整し9ホールを行い、黄アルムが27ホールで成立した試合の優勝者となった。

予備日のない中での苦肉の策。予備日の必要性は再三、取り沙汰されているが、設定されている試合は圧倒的に少ないまま、今日に至っている。今回はその現状の中で何とか試合を成立させようとしたことはわかる。

その是非については記者コラムでも触れている通りなので、今回は無観客試合について触れたい。プロスポーツである以上「どれだけの人に見てもらえるか」は極めて大切だ。その中でも、現地に足を運んで見てもらう興行であることは大きな意味を持っている。サッカーなどで、トラブルがあった時の制裁措置として無観客試合が行われるのはそのためだ。

今年の日本女子ツアーは、シブコ(渋野日向子)効果で、ギャラリーの数が増えている。だが、それ以前から、米女子ツアーなどに比べるとギャラリー数は多い。メジャーなどギャラリーが特に多い試合以外に初めて行った日本の若手が「人が少なくて寂しかった」というのは珍しいことではない。つまり、日本の女子プロは、ギャラリーが多いことに慣れている。

それが全くいない中で、スタンレーレディス最終日の9ホールは行われた。「ギャラリーさんがいたほうが燃えるなと思いました」と言ったのは、ほかならぬ渋野だ。ギャラリーに「さん」付けをし、応援を自然に味方につける渋野らしいコメントだ。

渋野以外も、上位でプレーすることが多い選手にとっては、ギャラリーがたくさんいるのが当たり前。その日常が、今回、台風の影響で奪われた。そのことが意味するのは何だろうか。

気持ちの上では、ギャラリーがいることがどれほど大切で励みになるか、ということ。現実的には、ギャラリーの存在こそがプロツアーの核であること…。選手によって感じ方は様々だろう。改めてその大切さを感じているはずだ。

ツアーを取り仕切るLPGAはどうだろうか。無観客試合になるくらいなら予備日を設ける努力をこれまで以上にするのか、それとも、やはり、できないものはできない、と変われないのか。

極端な例だが、PGAツアーでは悪天候で最後までできなかった2月の「ペブルビーチ・プロアマ」の残りを8月に行って競技を成立させたこともある。その是非はとにかく、それほどの努力をしたというのはまちがいない。

非力な人間には、天候を左右することなどできない。ただ、受け入れるだけだ。だからこそ、万全の備えは必要だ。すべての人の安全を大前提にしたうえで、いかに競技を成立させ、それをできる限りギャラリーに見てもらえるようにするか。予備日も含めて、考えることはまだまだ多いはずだ。(文・小川淳子)

(撮影:村上航)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:10/15(火) 17:56
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