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下方修正相次ぐ「工場自動化」メーカー、気になる回復時期

10/15(火) 12:04配信

日刊工業新聞電子版

「これ以上悪化しない」(安川電機社長)

 工場自動化(FA)機器メーカー各社が今期の通期連結業績予想を相次ぎ下方修正している。当初の想定より米中貿易摩擦が長期化し、世界で設備投資を様子見する動きが広がる。9月以降の回復を見込んでいた半導体関連投資も先送りされ、製造装置に使われるモーターやロボットなどの需要が鈍化。為替の円高傾向も響く。今後について「これ以上悪化させる理由もない」(小笠原浩安川電機社長)との声も聞かれるが、不透明な状況は続きそうだ。(西沢亮)

 安川電機の小笠原社長は決算会見で、「5月の米中交渉で両国の関係が悪化し(需要が)一度落ちた」と述べ、同時に9月以降の回復を見込んでいた半導体関連投資が「どんどん先送りされて2020年にずれ込む」とし、期初の想定が変わったとの認識を示した。

 影響は足元の受注動向に表れている。中国の19年6―8月期の受注高は前四半期となる19年3―5月期と比べ23%減少した。19年3―5月期は中国政府の支援策などで18年12月―19年2月期と比べ35%増と4四半期ぶりに増加していた。

 こうした状況を踏まえ安川電機は業績予想を下方修正。半導体製造装置や工作機械の主要部品となるサーボモーターなどのモーションコントロール事業の売上高を、4月の期初公表値比257億円減の1813億円(前年同期比15・0%減)に引き下げた。

 設備投資の様子見と円高の影響はFA機器メーカー各社に共通する課題だ。川崎重工業が20年3月期業績予想を下方修正した一因が、半導体製造装置向けロボットの回復の遅れ。米中摩擦で中国の半導体関連投資が停滞し、10月以降に見込んでいた韓国の半導体メーカーの設備投資が20年度以降に先送りされた影響も響く。橋本康彦取締役常務執行役員は半導体製造装置市場を前年比約2割減と見込む中、装置メーカーの在庫調整も重なり「当社では(前年同期比)5割くらいダウンした期間もあった」という。

 不二越は米中摩擦に伴う海外での自動車減産や中国市場の低迷などを受け、主力の軸受の販売が伸び悩む。また19年9―11月期の想定為替レートを対ドルや対元などで円高方向に修正。19年11月期に為替影響のみで前期比15億円程度の営業減益を見込む。

 気になるのは今後の見通しだ。安川電機の小笠原社長は「米中摩擦は長引くだろう。半導体も以前に考えた急激な上がりはない」とする一方、見通しについては「これ以上悪化しない」と述べた。川重の橋本取締役は半導体製造装置向けロボットの需要は「6―7月が底で8月から上昇に転じている」とし、半導体以外のロボットは「期初の想定をやや上回る収益を確保できている」という。

 小笠原社長は品質安定化などを目的に「ロボットの需要は足元で戻ってきている」との見方を示している。

最終更新:10/15(火) 12:04
日刊工業新聞電子版

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