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【その壁を超えてゆけ】本田圭佑(2)クレージーな監督業

2019/10/15(火) 11:02配信

日刊スポーツ

「自分が、できない側だったから」

代表選手も大きな影響を受けている。兼任する五輪代表チームから引きあげた、まじめなDFユエ・サフィ(18)は「彼に指導を受けるようになって、まだ間もないけど、僕たちは着実に成長している」と目を輝かせる。ミーティングでの話術、ダイレクトに心に響く声掛け、やる気にさせるモチベーターとしての天賦の才は変わらず、監督という立場で磨かれている。

名選手名監督にあらず、そんな言葉もあるが、いたって冷静だ。監督のパワハラで揺れるトップリーグもあるが、ここでは無縁。それどころか、失敗したら、学びを得たと拍手させている。

カンボジアの選手はまじめで懸命にやろうとするが、まだまだ発展途上。それでも本田が「何でできないんだ?」と怒るようなことは一切ない。「自分が、できない側だったからね。ガンバでユースに上がれなかったし、できないという気持ちは分かる」と寄り添う。選手もその思いに応えようとして、前進している。

「ギリギリまでもがくよ」

とはいえ、イラン戦ではっきりしたように、この2次予選をクリアし、続く最終予選のステージまで勝ち上がる可能性はないといっていいだろう。ここまで3試合を消化し勝ち点1(1分け2敗)で最下位の5位。イランとイラク、日本代表でも勝てるかどうかという手ごわい2強もいる死の組だ。

2次予選は来年6月まで続く。勝算はあるのか? と最後に尋ねた。

「現実的に、客観的に話したら、あとは香港に勝つかもしれない以外は、全敗かもしれない。でも、現実が分かっていても、受け入れたくない性格やから。まず、どう引き分けに持っていくか。そこは、ギリギリまで諦めたくない。ギリギリまでもがくよ」

それは、移籍先や東京五輪、選手としての近未来どころか、ひいては壁をぶち破り続ける本田圭佑という人間の生き方、そのものについての回答のように聞こえた。
(終わり)【八反誠】

連載【その壁を超えてゆけ】~アスリートはいかに課題解決したのか

ニッカンスポーツ・コムとYahoo!ニュースによる連携企画記事です。誰もがぶつかる壁、クリアしなければいけない壁、物事を隔てる壁など、世の中には多くの「壁」があります。アスリートやスポーツの世界に生きる人たちは、その壁をどうやって超えてきたのか。今まさに壁に直面する若者の心の内に迫ります。

日刊スポーツ

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最終更新:2019/10/15(火) 11:02
日刊スポーツ

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