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深刻化する食品物流の改善へ「トラック入荷受付・予約システム」が製配販に拡大

10/15(火) 20:04配信

日本食糧新聞

日本加工食品卸協会(日食協)が深刻化する物流環境の改善へ向けて開発した「トラック入荷受付・予約システム」(愛称=N-Torus)が、製配販各層に順調な広がりを示している。食品物流における過度なドライバー待機時間の削減を目的に業界標準型システムを開発し、年初から普及拡大を推進。10月1日現在で10企業15拠点へシステム導入が進み、3年間で100拠点への拡大を見込む。システムの機能を継続的に拡充し、入荷業務はじめ物流効率化を促進させる計画も持つ。

昨今の深刻なドライバー不足の要因として長時間に及ぶ拘束や荷役作業負担などが挙げられ、国土交通省が卸などの着荷主にセンター入荷時の待機時間の削減を要請する動きがある。特に食品物流はドライバーの荷待ち時間が平均1時間45分と長く、早急な改善が求められている。

日食協はこれを受け、農林水産省2017年度補正予算における支援事業認定の下、富士通に委託して「トラック入荷受付・予約システム」を開発。ドライバーが一度登録すれば、どの企業の物流拠点でも入荷手続きの手間が省けるようクラウド型の業界標準システムとしたのが特徴。ドライバーのスマホなどを通じて車両を空いたバースへ効率誘導するなど、一連の業務を円滑化できる機能も持つ。

昨秋の一部大手卸の拠点におけるテスト運用を経て、問題点を改良(高齢ドライバー向けのガラケー対応機能の追加など)の上、今年2月から普及を本格化。システム愛称も「N-Torus」(エヌ・トーラス=日食協、トラック、オンライン、予約、団結・結束、システムの頭文字を取って命名)と決め、順次拡大を図ってきた。

現在の導入企業は卸が三菱食品、日本アクセス、加藤産業、三井食品、伊藤忠食品、ヤマエ久野、トーカンの7社で、メーカーが味の素社と東洋水産、小売業は西友。「主要卸はじめサプライチェーン全体が利用する順調な進捗(しんちょく)で、各層の業務合理化が持続可能な食品物流へ寄与することを期待」(日食協・奥山則康専務理事)とし、今後も業界への普及・認知度向上へ努めていく。

「N-Torus」は第一フェーズとして拠点におけるトラックの受け付け・予約機能に絞って開発したが、順次機能を拡充する予定。画像認識技術による車両ナンバーの自動読み込みやGPS連動の位置情報把握システムなど業務効率化に資する性能を高める。ドライバーの労務環境の改善をはじめ物流危機緩和の切り札になるか注目される。

日本食糧新聞社

最終更新:10/15(火) 20:04
日本食糧新聞

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