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拡大期に突入したSiC、関連各社がビジネス活発化

10/15(火) 20:20配信

LIMO

本記事の3つのポイント

 ・ 電気自動車や5G通信を背景にSiCデバイス市場が普及期に。SiCウエハー大手のクリーはウエハー/デバイス双方で能力増強を実施中
 ・ ウエハー分野では韓国SKシルトロンがデュポンからSiCウエハーを含む関連事業を買収。国内ではロームや住友電工が事業拡大に積極的
 ・ SiC分野固有の製造装置の1つであるエピタキシャル成長装置も市場が拡大。普及期を見据え参入各社は処理能力を高めた新型機を投入

 これまで「高価すぎる」「口径が小さすぎる」といわれてきた炭化ケイ素(SiC)市場が本格的な拡大期に入ってきた。これから本格的な成長軌道を描く電動自動車や第5世代通信システム(5G)などに不可欠な素材として、ウエハー、そしてこれを用いるパワー半導体や高周波(RF)デバイスメーカー、製造装置メーカーのビジネスが活発化。「2023年に100億ドルを超えるパワー半導体市場で、うち20億ドルをSiCが占める」との予測も出ており、立ち上げに向けて旺盛な投資が続きそうだ。2~3年以内に8インチ(直径200mm)SiCウエハーが登場することも予想され、そうなれば既存の半導体工場で量産しやすくなるため、投資はさらに活発化する可能性がある。直近の関連各社の動きをまとめた。

クリーが生産能力30倍に

 SiCウエハーで世界シェアの6割を握る米クリーは5月、SiCの生産能力拡大に今後5年間で総額10億ドルを投資すると発表した。SiCおよびGaNデバイス(GaN on SiC RF)とSiCウエハーの生産能力を、24年までに16年7~9月期時点に比べてそれぞれ最大30倍に拡大し、自動車の電動化や5G向けの需要拡大に対応する考えだ。

 発表によると、「ノースファブ」と呼ぶ新工場に4.5億ドルを投資し、SiCおよびGaNデバイスを増産する。車載認定に適合した製造ラインを整え、22年に稼働させる。当初は6インチ(直径150mm)のSiCウエハーで製造して生産能力を18倍(ウエハー面積ベース)にするが、24年までに8インチでの量産を可能にし、能力をさらに高める。

 また、同じくノースカロライナ州ダラムの本社キャンパス内の既存工場に4.5億ドルを投資し、第2のSiC結晶成長工場「メガファクトリー」として再整備し、SiCウエハーを増産する。残り1億ドルは関連ビジネスの拡大に投資すると説明した。

 9月には、前述の「ノースファブ」をニューヨーク州マーシーに建設することを明らかにした。最終的に8インチSiCウエハーでパワー&RFデバイスを量産する予定で、当初の計画どおり、車載認定に適合した製造ラインを整えて22年に稼働させる。

 ただし、5月の発表時は「10億ドルのうち4.5億ドルを充てる」予定だったが、計画の具体化に伴って、工場建設や設備および関連費用に約10億ドルを投資すると同時に、ニューヨーク州から5億ドルの助成金を受けて、当初計画よりも生産能力を25%アップすることにした。これにより、24年までの当初の投資計画に比べて約2.8億ドルを節減する。ニューヨーク新工場完成時のサイズは最大48万平方フィートとなり、まず約1/4にクリーンルームを実装し、以後必要に応じて生産能力を拡張する。

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最終更新:10/15(火) 20:20
LIMO

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