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避難訓練 助かったのは10%未満 「沖縄を安全な観光地に」業者の備え支援 翁長さん、業界経験生かし起業

10/15(火) 5:10配信

沖縄タイムス

 自然災害や大規模事故、伝染病など、県内観光の「危機」に備える地域や観光業者らの取り組みを支援する株式会社の「サンダーバード」が6月、那覇市に設立された。代表者は沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)で国内受入推進課長や企画・施設部長などを務め、「観光危機管理」に携わってきた翁長由佳さん(49)。市民や企業の目線で問題意識を広め、より強い観光地にしたいとOCVBを春に退職し、起業を決意した。(政経部・島袋晋作)

 観光危機時に取るべき対応の検討や計画の策定を支援するほか、勉強会や訓練、普及イベントの開催も予定している。現在は、沖縄リゾートウェディング協会でアドバイザーを務め、OCVBでの経験を生かして危機対応について助言している。

 OCVBによると「観光危機管理」を支援する民間企業は「おそらく県内唯一で、全国でも珍しい」という。

 翁長さんが観光危機管理に本格的に関わるようになったのは、東日本大震災の2年後の2013年3月。県主催のシンポジウムで地震と津波の発生を想定した避難訓練を実施したが、約120人の参加者のうち「助かった」と認められる人は10人に満たなかった。

 「どれだけ知識があってもいざとなったらパニックになる。ましてや土地勘のない観光客をどう逃がすか」。翁長さんのみならず関係者の問題意識は高まった。毎年シンポジウムが開かれ、全国に先駆けて県計画も策定された。

 ただ、観光業者の中でも温度差があるのが実感だ。「備えに対する意識の欠如が、万一の際に傷を深くする恐れがある。企業にとって時間や予算の制約があるのも事実。まずは意識を変えるお手伝いから始めたい」と向き合う。

 北米先住民の間で、雷を操って悪霊や飢饉(ききん)から守ったと伝えられる鳥が社名の由来。翁長さんは「観光客や観光事業者の笑顔を守る取り組みが、国内外の地域のモデルになっていけばいいと思う」と語った。

最終更新:10/15(火) 5:10
沖縄タイムス

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