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アウトドア最大手mont-bellに「ツアー会社」の一面も…奥吉野観光の課題とは?

10/15(火) 15:30配信

まいどなニュース

 街中で見かける「mont-bell」のロゴ。吉野川沿いの緑豊かな中にこのロゴが突如現れる。モンベルは、北は北海道、南は沖縄まで約130の直営店を持つ日本最大手のアウトドア用品メーカーばかりでなく、さまざまなアウトドアイベントを開催するツアー会社の一面も兼ね備える。今年は、愛媛・高知・福岡にコテージやキャンプ場など宿泊施設を併設した店舗を続々とオープンさせ、その勢いは留まるところを知らない。そんな宿泊施設併設の記念すべき第1号店が、今回訪れたモンベル五條店。店長の米田浩太郎(よねだ・こうたろう)さんに、これから迎える行楽シーズンに際し、アクティビティのニーズ、奥吉野の魅力と課題について話を伺った。

【写真】国民宿舎を改装して誕生したモンベル五條店…なんとなく名残はあります

 「五條店は、ラフティングやカヌーのアクティビティ体験を目の前の川でできるので、小学生を子どもに持つ親子での参加が多いです。これからの季節は、アクティビティの対象が川から山に移り、老若男女を問わず多くの方が参加されます。五條店は、周囲に大自然が広がっているにも関わらず、大阪市から車で1時間から1時間半もあれば来られます。そんな立地ですので、京阪神にお住まいの方のご利用が圧倒的に多いですね」

 この数年、京奈和自動車道の区間が次々と開通し、車移動がどんどん便利になっている。和歌山市内にモンベル店がオープンし、そちらへ流れた客が道路開通によって戻って来ているというのだから交通インフラの影響は大きい。五條市にはJRの駅があり、奈良交通の路線バスが走るものの本数が少なく、時間もかかり、ごく一部のエリアしかカバーしていない。そのため車を運転しない人や、関西の繁華街にあふれるインバウンドの層を取り込めていない。これはモンベルのみならず自治体の課題ともいえる。

 「大阪市内から電車1本で行ける、吉野山や高野山には国内外から多くの観光客が訪れています。圧倒的な大自然と古来の日本文化が垣間見える大峯山系がある奥吉野に外国人観光客が来ていないのは、日本人として、奥吉野のアクティビティを販売している者としてとても残念です」

 奈良交通の五條バスセンターから毎日1往復、東京新宿行きの高速バスが運行している。これを利用して、関東在住者が五條店のアクティビティを利用することもある。梅田や難波、そして関空から五條や奥吉野直行の定期バスなどあれば、関西観光の一つとして奥吉野にも立ち寄れるのだが、一アウトドア企業レベルで進められるものではない。

 人口減少が著しい南和地域にとって、頼みの綱は歴史と文化が根付く大自然であることは地元民の誰もが思うところ。自治体を挙げての積極的な観光客誘致が必須である。

 宿泊施設を持つ五條店に限らず、街中の店舗でもアクティビティを企画する。例えば、大阪市内の店舗が梅田を起点に日帰りトレッキングツアーを敢行するなど、物販の枠、店舗のエリアを越えた活動をしている。

  「五條店が企画するトレッキングは、絶対に外せない定番の山もありますが、ニーズに応えられるよう、数年ごとに山やルートを入れ替えています。カメラ撮影の講習を目的としたフォトトレッキングや、(紙の)地図読みを目的とした山歩き講習会ほか、雪山の登り方など店舗内でのセミナーも好評です」

  空前のアウトドアブーム、そしてインバウンド景気、これを地域の活性化に使わない手はない。南和地域にとって、モンベル五條店は地域活性化に欠かせない企業の一つだ。大阪府の1.3倍強の広大な面積を持つ南和地域に、2店舗目、3店舗目のモンベル店を作ってもらえるよう、自治体には発信力と行動力をいかんなく発揮してもらいたい。

(まいどなニュース特約・北村 守康)

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最終更新:10/15(火) 15:30
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