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日本の外資出資規制案、残念な動き-米ヘッジファンドのダルトン

10/15(火) 5:00配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 日本政府が外国資本による対内直接投資の規制強化を目指していることについて、米ヘッジファンドのダルトン・インベストメンツは「残念な」動きだと失望をあらわにした。

財務省は先週、国の安全保障に関わる上場企業の株式を外国人投資家が取得を計画する際に義務づけている事前届け出の基準を、発行済み株式の1%以上に改めることを提案した。現在の基準は10%以上。この規制強化を盛り込んだ外為法改正案に、東京証券取引所や市場参加者などから反対が相次いだ。自民党は15日の総務会で同法案を了承。政府が今後閣議決定して国会に法案を提出する。

ダルトンの日本関連会社ダルトン・アドバイザリーで代表取締役を務める林史朗氏は、「財務省の提案はまったくの寝耳に水だった」と話す。「国の安全保障問題として理解はするが、事前届け出の要求厳格化は残念な動きだ。1%という基準は厳しすぎる」と述べ、届け出なしでの買いの抑制につながる可能性があると指摘した。ダルトンの運用資産はおよそ34億ドル(約3680億円)に上る。

財務省の提案では、新規則は軍需や電力、通信などの業種に適用される一方で、ポートフォリオ投資家に対しては事前届け出の免除制度を導入するとしている。投資家の間では、施行された場合に新規則がどのように運用され、どの投資が適用免除となるのか明確さを欠くなどとして、批判が上がっている。

ダルトンでは投資戦略を変更する計画は今のところなく、対処可能だとの見方だ。それでも林氏は電子メールでの問い合わせに対し、届け出基準が変更されるなら「せめて5%以上にするよう望む」と回答。「コーポレートガバナンス改革に逆行する兆しが出てくるのかどうか、われわれは注意深く見ていく必要がある」と述べた。

直接投資推進が目的

麻生太郎財務相は15日、今回の外為法改正案について、記者団に「国の安全保障を損なう恐れのある投資に適切に対応することが大前提」とした上で、事前届け出免除制度導入を通じて日本経済の安全かつ健全な成長に役立つ「直接投資の推進を目的としている」と説明した。

さらに、市場関係者からの意見を踏まえ、「負担軽減策を積極的に検討している」と指摘、「今後とも市場関係者との対話、意見交換を十分にやっていきたい」と述べた。

原題:A $3.4 Billion Hedge Fund Let Down by Japan on Foreign Buying(抜粋)

(c)2019 Bloomberg L.P.

Min Jeong Lee, Emi Urabe

最終更新:10/15(火) 15:05
Bloomberg

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