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北欧で感じる相対的に高まる日本の価値。外交・ビジネスのハブになるために必要なこと

10/16(水) 20:00配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

米中が関税による報復合戦を展開し、欧州では先の見えないブレグジットを巡る混迷が続いている。令和の日本の外に目を向けると、なかなか国際情勢は不安定である。

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私は今、フィンランドの首都ヘルシンキに在住しているが、欧州の企業、シンクタンク、投資家との会話で昨今、感じるのは日本の「相対的」な注目度の向上である。

ロンドンやブリュッセルでのビジネス、テクノロジー、サイバーセキュリティのカンファレンスでは、ニッチなものになるほど、日本人の参加者は見当たらず、他の参加者から話しかけられても、まずは「ニーハオ」や「中国人ですか?」と聞かれるのが常である。

ただし、「北欧に住む日本人です」と答えると相手は急に関心を持ち、「日本は米中関係の今後をどう思うか?」や「欧州でのファーウエイへの対応をどう思うか?」といった質問へとつながっていく。

私の経験では米国企業、特にシリコンバレーのテクノロジー関連企業は日本への関心は薄く、欧州企業も少し遠い日本には関心を抱くことはなかった。

だが最近では、市場とイノベーションの源泉としての米中が政治的に不安定ななか、欧州の人からは「米中が混乱している中、日本はどういうポジショニングを取るのか?」と相対的に日本の対応への関心が高まっていることを感じる。

安定とミステリアスが混在する大国、日本

幸か不幸か日本は市場と安全保障において、中国、アメリカと関係が深く、それを前提として両大国の間で国益を保全するためのポジションを取っていく必要がある。日本のポジション取りは欧州の中小の先進諸国には関心が持たれるところである。それらの国も米中を意識せざるを得ないからである。

欧州では米国のNATO(北大西洋条約機構)離れが懸念されるなか、ロシアの影響力も気になり、中国の資金とテクノロジーを利用しながらもバランスを取っていく必要がある。

例えば私の住む北欧諸国からすれば、日本の文化的イメージは極めて良く、日本は自然を大事にする一方でハイテクなイメージがあり、リベラルな民主主義、人権の尊重、法の支配といった価値観を共有できる国として見られている。

そのイメージが日本の実像かは別として、ビジネスにおける法的予見性は高く、一緒にやっていけるまともな国だと考えられている。それが影響力を増す中国や保護主義に傾くアメリカという大国とバランスを取るためのオプションだとしても、日本としては政府、企業共にレバレッジできる材料であり、活用すべきである。

実際には欧州や北欧の人々は日本のことを良く知らない。

日本人が「ムーミンはノルウェーだっけ?フィンランドだっけ?」というのと同じである。人口が数百万人の国からすれば日本は桁外れに大きい国であり、経済的に安定した程よくミステリアスな国に見える。

国連でスピーチをした16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリ氏の出身地であるスウェーデンは北欧最大の国だが、人口は約1000万人、日本の10分の1以下である。私が取締役を務めるベンチャーキャピタルは北欧、バルト、日本の混成チームで「ノルディック・ニンジャ」と名乗っているが、そのミステリアスなネーミング効果もあって現地で存在が広まるのは早かった。

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最終更新:10/17(木) 5:01
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