ここから本文です

【菊花賞】“隠れ最強馬”ニシノデイジー 鞍上ルメールで目覚めるか

10/16(水) 21:42配信

東スポWeb

【菊花賞(日曜=20日、京都芝外3000メートル)「番記者」山村の密着リポート】ニシノデイジーに密着し続ける男がいる。ベテラン・山村隆司記者だ。札幌2歳S→東京スポーツ杯2歳Sと重賞連勝を決めた当時は、ビッグタイトル奪取は時間の問題と思われたが、いまだ無冠のまま。そして、ついに下された非情の乗り替わり…。クラシック3冠最終戦・第80回菊花賞での大逆転はあるのか、ないのか。ベテラン番記者の緊急リポートをお届けする。

 勝浦正樹からクリストフ・ルメールへ――。非情の鞍上交代が発表されたのは、5着に終わったセントライト記念から、わずか3日後のことだった。

「スタミナがあって、距離は延びれば延びるほどいいタイプですから。実は3冠で一番チャンスがあるのは菊花賞かなと、自分では思っているんですけどね」

 勝浦がこう可能性を口にしたのは1冠目の皐月賞さえまだ幕を開けぬころのこと。つまり、長らく思いをはせていた舞台の直前に、陣営はかじを大きく切る決断を下したわけである。

「前哨戦として割り切れる競馬でしたよ」

 管理する高木登調教師は前走を「騎乗ミス」とはとがめない。セントライト記念で終始、折り合いに専念したのは本番を見据えるがゆえ。そんな鞍上の気持ちは見る側にも伝わっていた。それでも…。

 オーバーラップするのは21年前、1998年の皐月賞=セイウンスカイだろう。弥生賞(2着)まで手綱を取った徳吉から横山典への乗り替わり。当時も西山茂行オーナーは大一番で断行した。なぜか? むろん、勝負のためである。

「1週前追い切りは(ダービー1週前以来)久々の併せ馬でしたけど、問題なかったですね。以前はガツンと追いかけることがあったが、しっかり我慢が利いていた。実戦でも前に馬を置けば、大丈夫だと思います」

 こう語る指揮官が理想の競馬とみているのは、近走のスタイルではなく、中団でためを利かせて勝利をもぎ取った東京スポーツ杯2歳S。この要求に応えるべく、起用されたのがルメールであることは言わずもがなだ。

 ディープインパクトを撃破した2005年有馬記念のハーツクライは伝説の域。記憶に新しいところでは、昨年のオークス&ジャパンCのアーモンドアイか。そう、位置を取ってなお、折り合わせる――。この技術において右に出る者はいまだにいない。

 前任者・勝浦が強く感じていたステイヤーとしての資質。それを担当の高森裕貴厩務員はこんな言葉で代弁している。

「もちろん、スタミナがあってしぶとく脚を使えるのが最大の強み。実はこれまで競馬の後で呼吸が乱れたことが一度もないんですよ。フーともハーとも言わない心肺機能の高さは、獣医も太鼓判を押しますね。まあ、トモの緩さは相変わらずなんですけど、これも昔から“長距離砲の証し”って言いますから」

 あくまで仮定の話だが、レース後すぐに息が入るということは、まだ全力を出し切っていない可能性も…。それでも今回1番人気が予想されるヴェロックスとは、ダービー(5着)でわずか0秒1差だったのだ。鞍上交代という�“劇薬”が、秘める資質を目覚めさせるようなら…。頂点がいよいよ現実味を帯びてくる。

 古くからある「皐月賞は速い馬、ダービーは運のある馬、菊花賞は強い馬が勝つ」という格言。これに倣えば、まだ底を見せていない“隠れ最強馬”ニシノデイジー。彼こそが今年の主役にふさわしいと言えまいか。

最終更新:10/17(木) 21:43
東スポWeb

こんな記事も読まれています

スポーツナビ 競馬情報

重賞ピックアップ

あなたにおすすめの記事