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子育て世帯もシニアも選ぶ…「平屋ブーム」は本物か

10/16(水) 12:31配信

ニュースイッチ

 平屋住宅がブームの様相を呈している。住宅着工棟数に占める割合は年々上昇し、2018年度は約1割に達した。子育てを終えたシニアの建て替え・住み替え手段として底堅い需要はこれまでもあったが、20―40代の一次取得者層もフラットな居住空間の使いやすさなどを理由に希望者が増えている。地域の住宅会社では専業ブランドを立ち上げる動きが広がり始めた。成熟期に入り、今後大幅な伸びが見込めない住宅市場にあって有望な商機として期待する声も上がる。

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「オシャレ」の認識も

 千葉県袖ケ浦市に住む会社員、田中敬三さん(36歳)の夫婦は2017年5月に平屋住宅を建てた。マイホームにはパティオ(建物に囲まれた中庭)を取り入れたいと考えており、参考にした住宅などが平屋だったからだ。2階建ても検討したが、天井を高くでき、階段も使わなくてよいといった利点も踏まえて決めた。田中さんは「住み心地はとてもよいです。(2階建ての場合に1階と2階で生じる寒暖差がないなど)温度変化の少なさは予想外のメリットでした」と語る。

 設計・施工を手がけたスタジオ・チッタ(千葉市中央区)はデザイン性などを武器に千葉県で年70棟程度の注文住宅を手がける。うち約20棟が平屋だ。同社事業部の中村仰希課長代理は「この2―3年で平屋を希望する若い顧客が増えました」と説明する。「(希望者は)マンションなどの生活動線に慣れていたり、家族のつながりを大事にしたりして、フラットな空間を求めている印象です。ゆったりとしたイメージを持つ『平屋』への憧れもあるようです」という。
 
 国土交通省の建設着工統計によると、居住専門住宅の着工棟数に占める平屋の割合は18年度に10年度比1.5倍の9.9%に拡大した。平屋の市場動向に詳しい船井総合研究所(東京都千代田区)住宅・不動産支援本部の鶴田隼人シニア経営コンサルタントは「階段がなく使いやすい点は平屋需要を支えています。今の一次取得者は核家族化の進行やモノを多く持たない価値観の広がりなどを背景に、そこまで広い居住面積を求めない人が多いことも影響しているようです。若年層には『平屋はオシャレ』という認識も広がっているようです」と推察する。

 11年の東日本大震災や16年の熊本地震も平屋人気が広がる契機になったとされる。住宅事業関係者の多くが「平屋の方が震災時に揺れにくく、潰れにくいので安心というイメージが広がり関心が高まった」と証言する。

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最終更新:10/16(水) 12:31
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