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インディカーの技術を公道に ダラーラ・ストラダーレ 2.3直4ターボは400ps

10/16(水) 9:50配信

AUTOCAR JAPAN

ミウラや250GTOの開発に携わった創設者

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
ダラーラ社から自社初となるロードカーが登場した。このフライ級並みに軽量なマシンを理解する前に、まずはダラーラ社について触れてみたい。

【写真】ダラーラ・ストラダーレ (53枚)

ダラーラ社を率いるジャンパオロ・ダラーラの道は、ミラノ工科大学で機械工学を専攻できなかった時に決まったといえる。結果的に航空工学の道を選んだジャンパオロだが、モータースポーツには空気力学が重要だと気付いていたフェラーリへ加わる際に有利となったのだ。

ジャンパオロはフェラーリでF1マシンやスポーツ・プロトタイプの開発に関わる。さらに250GTOにも携わった後、マセラティへと移籍しティーポ63バードゲージなどを生み出す。

1963年、当時27歳だったジャンパオロはランボルギーニにヘッドハンティングされ、伝説のミウラを創出。3.9LのV12エンジンを横置きするというアイディアは、ミニのレイアウトに触発されたものだったという。ロータスを立ち上げたコーリン・チャップマンには及ばずとも、ミニを生み出したアレック・イシゴニスも尊敬するエンジニアだった。

ちなみに徹底した軽量化という思想はストラダーレにも受け継がれ、乾燥重量で855kgでしかない。ジャンパオロはさらにフランク・ウィリアムズと協力してデ・トマソF1の開発に取り組み、1972年にダラーラ・アウトモビリ社(ダラーラ社)を設立する。

ダラーラ・アウトモビリ社はランチアLC1や1C2ル・マン・プロトタイプなどの象徴的なクルマを生み出す。ポルシェ956を持ってしてもラップタイムでは敵わないほどの高性能を誇った。シャシー開発のリーディング企業として評価される同社だが、彼の過去は今振り返っても偉大なものだ。

フォード製の2.3L直列4気筒は400ps

現在のダラーラ社はフォーミュラ3(F3)とインディカーに注力しているが、シングルシーター・マシンのシェアは大きい。高価なプリプレグ・カーボンファイバーを市販の高性能マシンへ導入する技術力に優れ、アルミニウム製サブフレームの開発にも長けている。ストラダーレにも、その技術が惜しみなく投入されていることはいうまでもない。

ダラーラ社は培ってきた専門技術を反映した、誰もが運転できるロードカーを開発したいという野望を抱いてきた。その結果生まれたダラーラ・ストラダーレは、英国の道でも素晴らしいものだった。

シチリア島での公道レース、タルガ・フローリオが仮に復活したとして、20年先の未来からタイムスリップした参加車両のようだ、とでもいえるだろうか。ボディラインは流麗で、パネルの隙間も殆どない。ヘッドライトは怒りに満ちた形相ながら、シルエットはかつてのマセラティのマシンのようでもある。

前置きが長くなったが、ミドシップに横置きされるエンジンはティーポ63のV12ではなく、フォード製の2.3L直列4気筒。最高出力は400ps、最大トルクは50.9kg-mへと強化されている。パワーウェイトレシオはポルシェ911 GT2 RSに匹敵するが、軽量なためにブレーキはスチール製ディスクで充分だという。パワーステアリングも備わらない。

6速MTもフォード由来。40kgの重量増を嫌わなければ、ロボタイズドMTも選べる。後輪には機械式LSDが付く。テスト車両には高価なピレリPゼロ・トロフェオRタイヤを履くが、サーキット向けのタイヤを選べば、さらに凄まじいものになるだろう。

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最終更新:10/16(水) 9:50
AUTOCAR JAPAN

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