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飛ぶように流れるように 新型ベントレー・フライングスパーに試乗 635ps

10/16(水) 8:02配信

AUTOCAR JAPAN

風格のボディに完璧なステアリング精度

text:Steve Cropley(スティーブ・クロップリー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
モナコの有名ホテル、オテル・ド・パリを中心にモナコ周辺で開かれた、新しい3代目ベントレー・フライングスパーの発表会。非日常的な空間で、ベントレーは強く主張することなく、多くの人に世界最高のラグジュアリー・サルーンだという印象を植え付けたに違いない。

【写真】フライングスパーとコンチGT (131枚)

だが今回の試乗でフライングスパーには、まったく別の側面もしっかり備えていることがわかった。ベントレーが本来あるべき姿と考えている通り、日常的な利用を重要視したサルーンでもあるのだ。それを支えるのが電子制御のアクティブ4輪操舵システムにある。

モナコだから、オテル・ド・パリやカジノの周辺も軍事施設並みの警備が敷かれている。腰の高さにチェーンの規制線が敷かれ、不用意に近づくことはできない。広いところに出るには、狭い生け垣の道を抜けなければならない。フォルクスワーゲン・ゴルフに乗っていても、注意が必要なほど。

だが一旦道路に出れば、完璧な精度の中で全長5.3mのボディを進めることができる。丘を滑るように登り、広い道へ出た。96km/hを超えると、リアタイヤはフロントタイヤと同じ向きに制御されることに気付く。車線変更時などでの安定性で有利だ。

4輪操舵システムは、ベントレーが新しいフライングスパーの目指す部分と深く関係している。相反する目的を叶えるために。つまり、時としてオーナーが運転しつつショファーに運転してもらう、二面性を持った高級車であるということ。

635psを生むW型12気筒エンジン

今のご時世、どんな高級車でも豪奢さと高性能とを兼ね備えた、とメーカーは主張する。ベントレーはどの程度か疑問を持ったが、フライングスパーを試乗して理解した。英国製のラグジュアリー・サルーンは、マクラーレンのように加速し、ロールス・ロイスのように上質に走る。見事にスーパーなラグジュアリーとパフォーマンスとを両立させている。

搭載されるエンジンは、改良を受けたW型12気筒エンジン。排気量は5950ccで、635psの最高出力を獲得している。吸気システムの改良と低負荷時の気筒休止機能によって、効率性も高めている。

最高速度は333km/hで、0-96km/h加速に要する時間は3.7秒。先代の最高速度も310km/hと充分だったが、大幅に超えてきた。二面性を備えるために、フライングスパーには2モードではなく、4モードの3チャンバー・エアサスペンションを採用。電圧48Vで稼働し、サーキットでも機能する。

ベントレーのプロジェクトリーダー、ピーター・ゲストによれば、3代目のフライングスパーが先代と共有する部分は、名前だけだと話す。設計やデザイン、開発から製造に至るまで、ベントレーの持ちうるすべてを徹底的に注ぎ込んだという。

モノコック構造にはアルミニウムや鉄、複合素材を適材適所で使用。ボディパネルはスーパーフォーム・アルミニウムと呼ばれる樹脂の成形方法にも似た技法で作られている。車重は2437kgと、W12エンジンを搭載したリムジンにしては、軽い方だ。

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最終更新:10/16(水) 16:14
AUTOCAR JAPAN

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