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防衛局の漁協支所説明終了 3支所除き「一巡」 オスプレイ佐賀空港配備計画

10/16(水) 10:57配信

佐賀新聞

 自衛隊オスプレイの佐賀空港配備計画で、九州防衛局による佐賀県有明海漁協の15支所への説明が、拒否するなどした3支所を除き終わった。県有明海漁協の徳永重昭組合長は「要請を受け、説明を受けたということ。それ以上でも、それ以下でもない」とし、「受け入れの判断とは別」とする従来の姿勢を強調する。「漁業者だけに重荷を背負わせている」という嘆息が漏れる中、防衛局が提示した振興策に関心を示す組合員もいて、足並みの乱れを心配する声も出始めた。

 漁業支所への説明は、防衛局の「あいさつだけでも」という再度の要請で、9月17日から急ピッチで進んだ。防衛局側の都合でキャンセルしたところもあったが、15日には佐賀市支所(嘉瀬町)で広瀬律子局長らが運営委員らに計画の概要を説明、これを含めて12支所の関係者と会った。

 会合は全て非公開で、支所側の出席者の多くは「計画について一通りの説明を受けた。賛否とは関係ない」と話す。徳永組合長も「根本はわれわれの生活の場である有明海の問題。話を聞いたからといって、組合員が右往左往することはない」と説明する。自衛隊との空港共用を禁じている公害防止協定の見直しも、従来の慎重な姿勢を崩さない。「当面、漁協内で協議する予定もない」とし、27日に種付けが解禁されるノリ漁に集中する意向だ。

 今回の説明では、支所の対応は分かれた。応じる支所がある一方で、駐屯地予定地と周辺の地権者が所属する4支所では、南川副と早津江がノリ漁の多忙さなどを理由に説明会を設けなかった。新幹線長崎ルートの整備方式見直しで会談に応じない山口祥義知事を引き合いに、「会えば意味を持つ」と話す組合員もいた。

 防衛局は説明の詳細は明らかにしていないが、計画受け入れを条件に、漁場や漁港の整備、漁業設備への補助などの「アメ」にも触れている。参加者の一人は「何でもするという話だった。経営が厳しい組合員も多く、せっかくなら早くしてもらおうという仲間もいる」と打ち明ける。

 「国は狡猾(こうかつ)で、結局は補助金の話になり、手玉に取っていく。いよいよ切り崩しが始まった」。運営委員の一人は、こう警戒する。

 漁協幹部の一人は「県議もオスプレイの受け入れ容認を決議しただけで、漁業者の心情をくもうという姿勢は見えない。漁協関係者だけが重荷を背負わされた格好」と嘆息し、広く県民で考えるべき問題が矮小(わいしょう)化されていると捉えている。

 防衛局の広瀬局長は15日に佐賀市支所を訪問した後、「支所ごとの説明になると、より支所の特徴が(出る)。誠心誠意やっていくことが一番大事」と振り返った。防衛省本省の関係者は「まだ説明できていない支所があり、何とか話を聞いてもらいたい。県とも相談しながら、引き続き対応したい」と話しており、綱引きは続く。

最終更新:10/16(水) 10:57
佐賀新聞

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