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あえて芸術祭と言わない『岡山芸術交流2019』…ひと味違う見どころとは?

10/16(水) 16:35配信

まいどなニュース

 「アースミュージック&エコロジー」や「コエ」などのブランドを展開するアパレル企業「ストライプインターナショナル」の代表取締役・石川康晴さんが、文化振興財団を立ち上げ、出身地である岡山県・岡山市とともに開催する『岡山芸術交流2019』。

【写真】これはなに?…忖度ないキュレーションで刺激的な作品

 日本各地の地域で芸術祭が開催されているが、「どこ行っても、同じ感じ」という感想も聞く。芸術祭のプログラムが、良くも悪くも公共性(地域住民とのふれあいとか)、エンタメ性(癒し系や、有名アーティスト作品とか)の、ほどよいミックスに落ち着いてしまうからだろう。アートに、社会や人の毒で薬になる刺激的な表現を求めている人にとって、「芸術祭」は物足りない。

 瀬戸内国際芸術祭と同様に3年ごとに開催される「岡山芸術交流2019」(今年で2回目の開催)に「岡山でも芸術祭をやっているのか」と思う人も多いはず。けれども、タイトルが「芸術祭」でないことにちょっと注目して欲しい。「祭」とは一線を画すプログラムと見応えが、ここにはある。

 『岡山芸術交流2019』の開催地は、市街中心地の「旧内山下小学校」「岡山市立オリエント美術館」「岡山城廊下門」「不明門」。そして近代建築家・前川國男の建築作品である「林原美術館」「岡山県天神山文化プラザ」など。アーティスティックディレクターのピエール・ユイグほか、出品作家は、主に欧米で活躍するアーティスト18組。難解な作品もあり、正直、後味さっぱりしない作品もあるのだが、実のところ最大の見どころは、芸術祭にありがちな忖度を排した、キュレーションそのものだ。岡山市街中心部に設置される作品は、路面電車や徒歩で巡り、鑑賞ことができるが、じっくり堪能するには1日では無理かもしれない。街めぐりを楽しみながら、おすすめの作品を紹介する。

 旭川の河畔にある、メリッサ・ダビン&アーロンダヴィッドソンの作品。パイプに循環する液体(旭川の水)を見ていると、浄化されるような気分です。

 旧小学校のプールにピンクの液体がぶくぶく隆起するパメラ・ローゼンクランツの『皮膜のプール(オロモム)』。背後の建物には、無重力に浮かぶカエルの映像が。晴天下の平和な光景を歪ませる、ショッキングな作品。

 パメラ・ローゼンクランツ『癒すもの(水域)』を見学する小学生グループ。黒い土俵の上の蛇のロボットに「ヘビさん動いてー。あ、外国の作品やし日本語、通じんか。ハロー!」「ハロー!ハロー!」と大合唱のシュールな一幕。

 マシュー・バーニー『安全圏の陰極』は、水槽のなかで銅板を電気メッキ加工中。水槽の中にイソギンチャクが棲息するピエール・ユイグの作品。マシュー・バーニー&ピエール・ユイグのコラボレーションが誕生するかも? 理科室のような空間だが、ここは旧小学校の元書道室。

 旧小学校の教室での照明を落としての展示は、ノスタルジックな雰囲気に呑まれ、集中力が高くなる。ファビアン・ジロー&ラファエル・シボーニのインスタレーション。

 「岡山県天神山文化プラザ」でのミカ・タジマの『ニュー・ヒューマンズ』。漆黒の磁性液体が磁力で浮かび上がる不思議さが、見飽きさせない。

 「岡山市立オリエント美術館」でのポール・チャン『トリオソフィア』。首なしの人体が手をつないで激しくダンス。怖い。オリエント美術館の平常展示の充実ぶりもすごいので、時間をたっぷりかけたい。

 「林原美術館」では、イアン・チェンのAI を導入した育成ゲームのような作品が。ピエール・ユイグの映像作品「2分、時を離れて」に登場するキャラが生身で現れるティノ・セーガルのパフォーマンスもあり。

 関連企画の『A&C(Art&City)』では、街のパブリックスペースでアートと出会うというコンセプトで作品を長期展示。無料で鑑賞できる7作品がある。「岡山神社」のダン・グラハム『木製格子が交差するハーフミラー』。なじみっぷりとクールさに思わず二度見、三度見。

 岡山城。「これは!」と思わずじっくり鑑賞してしまった植栽は、実は作品ではなかった。。。

『岡山芸術交流2019 「IF THE SNAKE もし蛇が」』期間:2019年9月27日(金)~11月24日(日)

https://www.okayamaartsummit.jp/2019/about/

(まいどなニュース/Lmaga.jp・沢田眉香子)

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最終更新:10/16(水) 16:35
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