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ロシアがシリアで影響力拡大、米軍撤退の空白埋める-国境付近で監視

10/16(水) 4:51配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米国が見捨てたクルド人武装勢力を駆逐しようとシリアに侵攻したトルコ軍は、ロシアのプーチン大統領の策略にはまり、中東における戦略的な勝利を同大統領に手渡してしまったかもしれない。

トルコのエルドアン大統領がシリア侵攻を命じてから1週間もたたない間にロシアはこの軍事作戦に対する忍耐の限界を表明し、同地域における影響力を印象づけた。シリアから最後の駐留軍を引き揚げさせ、米議員の多くが手ぬるいとみる対トルコ制裁しか打ち出していないトランプ米大統領の対応とは対照的だ。

プーチン大統領のシリア担当特別代表を務めるアレクサンドル・ラブレンティエフ氏は15日、訪問先のアブダビで「われわれは常に、トルコに自制を求めてきた。シリア内のいかなる軍事作戦も容認できない」と言明。「トルコとシリアの国境は、政府軍の展開によって安全保障が確保される必要がある」と述べた。アブダビでは、プーチン大統領がアラブ首長国連邦(UAE)首脳らと会談した。

ロシア国防省が15日電子メールで発表したところによると、シリア政府軍は米軍が撤退した国境の要衝、マンビジュとその周辺地域を完全に掌握。シリア政府軍とトルコ軍の境界に沿ってロシア軍警察が同地域の監視活動を行っているという。

ロシアはシリア内戦に軍事介入し、アサド大統領の政府軍を支援した。それ以来、政府軍の支配地域回復を後押ししてきたが、プーチン氏は今回の危機を利用してクルド人地域に政府軍の支配を巧みに受け入れさせた。クルド人が主導するシリア北東部の当局は13日、米軍撤退後のトルコ国境を守るためシリア政府軍の受け入れでシリアおよびロシア政府と合意が成立したと発表した。

この合意でロシアは、シリアの将来に強力な影響力を握ることになる。ロシアはすでにイランと協力関係を築き、サウジアラビアとは石油政策で協調するほか、エジプトのシシ大統領とも緊密な関係にある。

原題:Putin’s Syria Gambit Delivers Again as Trump Sidelines U.S.(抜粋)

(c)2019 Bloomberg L.P.

Henry Meyer, Ilya Arkhipov

最終更新:10/16(水) 4:51
Bloomberg

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