ここから本文です

アプリや検索結果の削除、予約のキャンセル…中国に適応するためにテック企業が行ったこと

10/17(木) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

中国でインターネットの検閲する「グレート・ファイアウォール」は、政情不安に関する報道や台湾を独立国家とみなすことなど、中国政府にとってセンシティブな内容のコンテンツをブロックする。

【全画像をみる】アプリや検索結果の削除、予約のキャンセル…中国に適応するためにテック企業が行ったこと

フェイスブックやツイッターなど、いくつかのアメリカのテック企業は、中国での運営を禁じられている。

だが、中国で運営するために厳しい規制に従う決断を下したことで物議を醸したテック企業もある。

アメリカと中国の冷戦状態は激しさを増し、出口の見えない状況となっている。そして争いの中心にあるのはグローバルに展開するテック産業だ。

この米中貿易戦争により、サプライチェーンから消費者が日常的に利用するサイトに至るまで、あらゆるものが影響を受けている。アメリカ政府はファーウェイ等の企業が同国内でビジネスを行うのを禁じた。一方、アメリカのテック企業の多くは、中国の厳しい検閲「グレート・ファイアウォール」の下、事業が行えない。

中国ではウィキペディア、ツイッター、フェイスブックといったメジャーなサイトにアクセスできない。マイクロソフトやアップルなどは議論を呼び起こしながらも、中国で営業するために譲歩することを決めた。中国の検閲ポリシーに従うアメリカ企業は、しばしば批判に直面する。グーグルが中国へのサーチエンジンの進出を断念したのはそのためだ。

テック企業が、中国のグレート・ファイアウォールの下でどのように事業を展開したのか、あるいは展開しようとしたのか見てみよう。

アップル、マイクロソフト、グーグル、ブリザードの各社に、中国での事業展開についてコメントを求めたが、まだ回答を得ていない。

アップルは、中国の法律にそぐわないアプリをApp Storeから削除

テック系ニュースサイト、ザ・ヴァージ(The Verge)は以前、アップルが中国のApp Storeからニューヨーク・タイムズやVPN(仮想専用線)、ギャンブル関連のアプリを削除したと報じた。

アップルは、香港のデモ参加者が警察の動きを追跡できるアプリ、HKmap.liveを10月4日に認可したものの、10月10 日にはApp Storeから削除した。同社の広報担当者は、アプリが香港市民や警察を危険にさらすような使われ方をされていたと、Business Insiderに語った。

さらにアップルは、ニュースサイトQuartzのアプリも削除。同サイトの編集チーフ、ジョン・キーフ(John Keefe)氏は、香港のデモを報道したことが、削除の原因かもしれないと述べた。

マイクロソフトは、Bingでの検索結果とリンクトインの投稿から、中国政府を怒らせる可能性のある政治的コンテンツを削除

ガーディアン(Guardian)の2014年の報道によると、アメリカでマイクロソフトのサーチエンジンBingを用い、ダライ・ラマや天安門広場といったトピックを中国語と英語で検索すると、それぞれ異なる結果となった。これにより、マイクロソフトが中国の検閲ルールを、中国以外の国でも適用していたことが示唆された。マイクロソフトはこれを「システムエラー」だとした。

2019年1月、中国でBingは「違法なコンテンツ」として一時的にブロックされたと報じられたが、その後すぐにブロックは解除された。

Bingにおける中国語での検索に対する検閲はもう行われていないが、中国国内では今も検閲されている。

マイクロソフト傘下のリンクトイン(LinkedIn)にも検閲ルールが適用されている。ワイアード(Wired)の2014年の報道によると、香港の議員、チャールズ・モック(Charles Mok)氏は、リンクトインに天安門広場に関する記事を投稿をしたが、削除され、同社からその理由についてのメッセージを受け取った。

「リンクトインは中国による検閲を公然と支持している。これは糾弾に値するものだ」

中国での検閲に対応したサーチエンジンの立ち上げを計画していたグーグルは、従業員や世間からの反発を受け、計画を中止

中国で検閲に対応したサーチエンジンの立ち上げを目指し、グーグルが「プロジェクト・ドラゴンフライ」というコードネームで進めていた計画について、インターセプト(The Intercept)が2018年8月に明らかにした。

それによると、そのサーチエンジンは「センシティブな検索内容をブラックリスト化」する。つまり、禁じられた言葉を検索しても、何もヒットしないということだ。だが2018年12月、グーグルのサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)CEOは、中国でサーチエンジンを立ち上げる計画はないと議会で証言した。報道によると、このプロジェクトは中止されたという。

グーグルは、共同創設者セルゲイ・ブリン(Sergey Brin)氏の「邪悪になるな」というモットーに従い、2010年に中国から撤退し、それ以来、中国でブロックされている。

Airbnbは大規模な政治的イベントの開催期間中、予約をキャンセル

2018年、毎年恒例の全国人民代表大会が2週間にわたって開催された期間中、Airbnbは北京での宿泊予約をキャンセルし、リストも削除した。それについて同社は「外部要因のため」とし、「よい隣人でありたい」とBusiness Insiderに語った。

同社はまた、5年ごとに開催される中国共産党全国代表大会の前にも、リストを削除し、予約をキャンセルした。

ゲームメーカーのブリザードは、香港デモを支持したeスポーツ選手を処罰

eスポーツ選手のエン・ワイ・チャン(Chung Ng Wai)氏、通称「Blitzchung」は、台湾で開催されたオンラインカードゲーム「ハースストーン」の大会でのインタビューで、「香港に自由を、われらの時代に革命を」と叫んだ。その後、ゲームの開発元でトーナメントのスポンサーでもあるブリザード・エンターテイメント(Blizzard Entertainment)は、Blitzchungの賞金を剥奪し、今後1年間、競技への参加を禁止した。それによって批判にさらされている。

ウィーチャット(微信:WeChat)も傘下に置く中国IT大手テンセント(騰訊:Tencent)は、ブリザードの親会社であるアクティビジョン・ブリザードの株の5%を所有している。

人気のTikTokも、中国政府の怒りを買う可能性のあるコンテンツを削除との報道

9月、ガーディアン(The Guardian)は、TikTokの内部文書を公開した。その内容は、中国政府の怒りを買いそうな政治的コンテンツ、例えばチベット独立や天安門広場の関連事項の削除を、モデレーターに指示するガイドラインだった。TikTokはそのようなガイドラインはすでになく、5月に改定を行ったと述べた。

TikTokの広報担当者がBusiness Insiderに語ったところによると、中国政府がTikTokを運営するバイトダンス(ByteDance)にコンテンツの検閲を要求したことはないという。TikTokが中国で運営されているわけではないからだ。中国では同様のアプリとしてDouyinが利用されている。

[原文:These 6 tech companies have made the controversial decision to try to operate in China, where the government can demand social media posts be removed or search results be censored]

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

Mary Meisenzahl

最終更新:10/17(木) 12:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事