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F1日本GPのテレビ放送に起きた”奇跡”。放送センター、金曜夜にガレージへ大移動

10/17(木) 19:58配信

motorsport.com 日本版

 台風19号の接近に伴い、開催スケジュールが大きく変更された2019年のF1日本グランプリ。台風が鈴鹿サーキットに最接近したのは土曜日だったため、同日に予定されていた全ての走行セッションが中止され、日曜日に予選と決勝を行う変則的なスケジュールとなった。また、予定されていたサポートレースも中止された。

【動画】テレビスタッフの努力の結晶。2019年F1第17戦日本GP決勝ハイライト

 しかし鈴鹿サーキットでは、それ以外にも台風19号について様々な影響があった。そのひとつが、F1のテレビ放送に関する問題だ。今回の放送を実現させるために、ほぼ奇跡を起こすのと等しいほどの努力がなされたのだ。

 レースの週末に台風19号の影響が及ぶのは、ほぼ確実視されていた。しかし、それがいつになるのか、そしてどのくらいの期間に及ぶのか、台風が日本列島に近づかない限り分からなかった。

 予報の精度が上がるにつれ、サーキットに強風と大雨のリスクが及ぶ可能性が高いことが明らかになってきた。そしてF1が用意する放送センターが、突然懸念の矢面に立たされることになったのだ。

 F1チームと同様に、F1の放送システムも世界中を旅している。そしてどんな天候からも、そのハイテクシステムを守るようになっている。例えば鈴鹿サーキットの場合は、最終コーナーの内側に巨大なテントが建てられ、その内部に全ての機器が配置されていた。しかしこの施設は、台風に耐えられるようには設計されていなかった。

 これはF1にとっては大問題だった。テレビ放送と、このテクノロジーセンターは、ある意味現在のF1の中枢と言っても過言ではないからだ。

 このテクノロジーセンターがなければ、世界中でのテレビ放送はなく、おそらくレースも行われなかっただろう。なぜなら、グランプリの成立に不可欠なシステム(タイミングシステムを含む)は、このテクノロジーセンターに依存しているからだ。台風の被害を受けるわけにはいかなかったのだ。

異例! サーキットのピットガレージに放送センターを移設

 同センターのテクニカルディレクターであるアンドリュー・ジェームズは、これについて次のように語った。

「テレビがなければ、レースをする意味などほとんどないのだ。しかし放送センターは、他にも多くのことを推し進めている。我々はジャンプスタートとピットレーンスピードの検知、オンボードカメラ、タイミングデータなど、その全てを担っているのだ。(台風の被害を受けていたら)全てのことが危うくなっていただろう」

 木曜日の遅い段階では、放送センターは金曜日の夜に解体し、全ての機器を安全な場所に移し、その後天候の脅威がなくなり次第、再度放送センターを組み上げるというシナリオが検討されていた。しかし翌金曜日の朝には事態が悪化。サーキットの担当者との会議で、台風が最接近するタイミングが遅く、放送センターを再度組み上げるための十分な時間がないことが明らかになったのだ。

「金曜日の午前8時に、サーキットとミーティングを行った。そして放送センターを一度解体したならば、再度組み上げる時間はないということはとても明確だった」

 そうジェームスは語る。

「天候から身を守る必要があることは分かっていた。そしてそのための唯一の方法は、機器を室内に置くことだった。ガレージの中にそれを入れなければいけなかったのだ。そうしなければ放送できないのは明らか……それを実現させるための方法を見つけなければいかなかったんだ」

 これに対処するため、彼と彼の部下たちは、鈴鹿サーキットやFIAと協力して、様々な手を尽くした。

 彼がしなければいけない最初の仕事は、テレビ放送用の機器を設置するための場所を探すことだった。収納しなければならない機器は膨大。技術用のコンテナ11個を内包し、70人のスタッフが働けなければならないのだ。機器の総重量は80トンにも及ぶ。

 この解決策は、放送センターに設置された機器を、より強固な場所に移動すること以外になかった。サーキット内で最も頑丈な場所……それがピットガレージであることは明らかである。

 ただF1期間中は全てのガレージを使うのが常。当初はどこにも空きがなかった。しかしそれを少しシャッフルしたことで、いくつかのスペースを見つけることができた。

「FIAの助けを借りた」

 ジェームスはそう説明した。

「彼らはガレージを片付けてくれた。そしてオンボードカメラとそれ以外のカメラのワークショップを、そこに移動させた。このサーキットは、ふたつのガレージの間のパーテーションを外すことができたのだ」

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最終更新:10/17(木) 19:58
motorsport.com 日本版

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