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運用資産700兆円の投資家連盟、ファーストフード大手に環境取り組みへのコミットを勧告

10/17(木) 6:00配信

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米国立衛生統計センターによると、米国では1日あたり8400万人以上がハンバーガーなどのファーストフードを食べている。

手軽で、安く、さまざまな場所に店舗があるアクセスの良さが多くの人々を惹きつけている。たとえば、マクドナルドは世界中で3万7000以上、KFCは2万以上、バーガーキングは1万6000以上の店舗を展開している。

これらの数字を鑑みると、消費される牛肉、豚肉、鶏肉の量が膨大になることは想像に難くない。

世界人口は現在も増加しており、人口増にともないファーストフードの消費が増えることも容易に想像できるだろう。

しかし、このペースで食肉消費が増加した場合、畜産業による土壌・水質汚染や温室効果ガス排出が一層深刻化する可能性が指摘されており、早急な対策が求められている。

これまで環境対策への取り組みが遅いと批判されてきたファーストフード業界だが、このほど資産運用総額6兆5000億ドル(約700兆円)に上る投資家グループがファーストフード大手に対して温室効果ガス削減の取り組みに注力すべきと勧告。

影響力の大きな投資家グループによる勧告がファーストフード業界の取り組みをどのように変えるのか、大きな関心が寄せられている。

運用資産額数十兆円規模の機関投資家による環境グループ「FAIRR」

今回、ファーストフード大手に勧告したのは「Farm Animal Investment Risk and Return(FAIRR)」。環境非営利団体「CERES」と共同で、ファーストフード大手に対し、温室効果ガス削減に向けて明確な目標を定め、具体的な施策を勧告する書簡を公開した。

対象となるのは、マクドナルド、KFC、バーガーキングなどのファーストフード大手だ。

この勧告では80以上の機関投資家が名を連ねており、その多くが数千億~数十兆円の資産を運用する大手機関投資家だ。

たとえば、カナダ・モントリオール銀行を母体とするBMOグローバル・アセット・マネジメントの運用資産額は2580億ドル(約28兆円)。英国拠点のAvivaは3500億ポンド(約50兆円)、Aegon Asset Managementは3250億ユーロ(約40兆円)など。

今回の勧告で連名した機関投資家の資産運用総額は6兆5000億ドル(約700兆円)に上る。

英ガーディアン紙によると、Aegon Asset Managementのヘイク・コッセ氏は、パリ協定で目指す目標を達成し、かつ地球規模で飲料水を持続可能性な形で利用するには、ファーストフード企業がサプライチェーンにおける温室効果ガスの削減と水質保全に向けて具体的な施策を実施することが必要になると指摘。

その上で、ファーストフード企業がこれらの課題を解決できない場合、将来的に規制や不評被害のリスクが高まり財務的な持続性も損なわれる可能性があると述べている。

またBMOグローバル・アセット・マネジメントは、世界的に植物ベースの食事にシフトしていることや環境規制の厳格化、畜産業による水質汚染に対する懸念の高まりに言及し、ファーストフード企業の長期的な価値は脅威にさらされていると指摘している。

書簡では、水質汚染を低減する取り組みを強化し、温室効果ガス削減などで明確な目標を定め、毎年取り組みの進捗を報告することが勧告された。

近年、投資家が企業を評価する際、倫理性、持続可能性、ガバナンスを重要視する傾向が強くなっている。ファーストフード企業は環境保全の取り組みと目標を明確に打ち出し、投資家に示すことが求められている。

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最終更新:10/17(木) 6:00
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