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『宮本から君へ』トークイベントで主演の池松壮亮を原作漫画好きの峯田和伸が絶賛「頑張ったから、15年ぐらいボケーッとしていいよ」【レポート】

10/17(木) 0:00配信

超!アニメディア

 10月11日(金)に新宿バルト9にて、『宮本から君へ』で宮本を演じた池松壮亮と、池松が敬愛する峯田和伸によるトークイベントが行われた。池松と峯田は、三浦大輔が作・演出を手掛けた舞台「母に欲す」で兄弟役を演じて以来、親交を深める仲。池松は、峯田のバンド銀杏BOYZの「BABY BABY」Tシャツを着て登壇した。

映画『宮本から君へ』トークイベントの写真を紹介

 バブル崩壊直前の日本で最も嫌われた伝説の漫画を、主演に池松壮亮、ヒロインに蒼井優を迎え、真利子哲也監督により映画化した本作は、人生負けっぱなしの男・宮本(池松壮亮)が恋人・靖子(蒼井優)との関係を打ち砕く“衝撃の事件”をきっかけに一世一代の勝負に挑む、人間讃歌エンターテインメント

 公開初日に劇場で映画を観た峯田は、「観終わって、(劇場で)照明がついた時のあの感覚が忘れられない。あの熱気は(映画館では)なかなか味わえない、ライブみたいな感じで。映画鑑賞というよりも体験でした」といい、劇場をどうやって出たかも覚えていないほど衝撃だったと絶賛。「映画を観終わって放心して有楽町を歩いていて、ふと携帯の電源をつけたら、池松くんからメールがあって」とシンクロしたエピソードを披露。池松は、峯田のことを「とても尊敬している人で、一番映画を観てもらいたかった人。映画化にあたり、一番応援してくれていた」と、峯田の言葉に対して嬉しそうな様子を浮かべた。

 峯田が原作漫画と出会ったのは2005年。自身が主演を務め映画化された「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の原作が好きだったことから知人にお勧めされて読んだのがきっかけ。主演・池松壮亮×監督・真利子哲也で映画化を聞いた時には、「このふたりならいけるんじゃないかと思った。時がきた!」と確信しかなかったという。「原作はバブル時代だったからこそ生まれ落ちたもの。20年経って、ゆるふわな空気の中にどうなるか」と、今という時代に映画が受け入れられるのか、想像つかなかったが、映画を観始めてすぐに「今だからこそ通用するんだと思った」と語った。

 そんな原作ファンの峯田は、ドラマ「宮本から君へ」の最終話にカメオ出演している。池松は、真利子哲也から「タクシードライバーの役に峯田さんに出てもらいたい」と聞いたとたん「峯田さんを軽く扱っちゃダメ。ワンシーンに出てもらう人ではないから」とキッパリ反対。しかし、すでに峯田に出演オファーが届き、峯田は出演を即決していた。「原作もドラマも好きだったし、何より池松くんに会える、と思って」と快諾したことを明かした。峯田は、「ご飯に誘おうと思っても『今日はイケる!』と思うのは1ヶ月に2日程度、仕事のほうが会いやすいんです」と照れる。

 映画は、血だらけになった宮本が自分にビンタするシーンから始まる。この冒頭は、峯田がドラマに寄せた「池松壮亮という一人の青年が、平成の終わりを、時代を背負って、ドラマの中でぶん殴り続けている。何を。欺まんを。不自由を。俺を。もうそういう事じゃないんです」というコメントを受け、池松が監督に提案して映画の導入になった。「この時代に、あれだけの原作を引っ張り出して映画化するということはどういうことなのかを考えた時に、宮本が自分をビンタし続けることで、宮本が何者かを見せることができるんじゃないかと」と話し、映画の中で唯一、原作にないシーンとなった。ライブ中の峯田はマイクで自分を殴り続けるパフォーマンスをする。峯田は「お客さんをぶん殴るには、まず自分をぶん殴らないと」と話し、池松は「自分に罪の意識をもつことを、峯田さんと会ったときから教えられてきたので、原作から反映させたかった」という想いも吐露した。

 峯田に映画の好きなシーンを問うと、映画の中盤、雨の降る海岸で、宮本と蒼井優演じる靖子が対峙して語るシーンをいい、「それまで写実的で生々しいのが、あのシーンだけは抽象的でファンタジー。大林宣彦監督の作品のような。そういうヒキの演出もあって、この作品は何度も見たくなるのかもしれません」と語った。靖子に関しては、「最高過ぎる」の一言。『斬、』も鑑賞した峯田は池松と蒼井に対して「ふたりは前世でなにかあったんじゃないかな」とつぶやき、ふたりの信頼関係に感服した様子。そして、純粋に「(蒼井が)結婚したことで凹まなかったですか?」と問いを投げかけ、池松が否定すると、会場は笑いに包まれた。最後に、峯田は「『タクシードライバー』や『太陽を盗んだ男』が今でも大好き。そういった類の作品に『宮本』も入ったんじゃない?池松くんはしばらく適当に仕事していいと思う。それぐらい頑張った。15年ぐらいボケーッとしていいよ」と池松へ言葉を投げる。池松は「目に見えない圧力を受けていたり、フラストレーションが溜まっていたり、その中で生きている人の背中を押せる作品になっていたらうれしい。センシティブなことも扱っていますし、どれだけやっても無力さと罪の意識は残りますが、峯田さんの言葉に報われたような気がしました。隣に峯田さんのような人がいると、自分も何かやらなければという気持ちになる。ライブを観に行っては力をもらっています。峯田さんが15年休むのであれば休みます(笑)」と応答し、相思相愛ぶりにほっこりした舞台挨拶となった。

 映画『宮本から君へ』は、新宿バルト9他全国公開中。

(C)2019「宮本から君へ」製作委員会

最終更新:10/17(木) 0:00
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