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「高等教育“無償化”」をアテにしてはいけない理由

10/17(木) 12:24配信

ベネッセ 教育情報サイト

“無償化“の対象はクラスで3~4人!?

子育ての費用を応援しようと、国は「幼児教育の無償化」や「高等教育の無償化」を進めています。幼稚園・保育園の費用が無料になったり、大学へはタダで進学できるようになったりするのだから、家計に重くのしかかっている教育費の負担はずいぶん軽くなると感じる子育て世帯は多いのではないでしょうか。

けれど、幼稚園・保育園も、大学・専門学校も、かかる費用を「無条件」に無償化してくれるわけではありません。一定の基準をクリアした人だけが、一定の範囲の費用について無償になったり負担が軽くなったりする仕組みです。

大学・専門学校の場合、支援措置の対象は、「真に必要な子供たち」に限定されていて、国立大学の授業料全額が無料になるのは、住民税非課税世帯に限られます。

国立大学の学生(学部生+大学院生)について、授業料全額免除の対象人数を6万5000人として予算が見積もられており、学部と修士課程では定員の約12%が対象になる計算です。小学校のクラスが30~40人で高等教育に進学する子が24~32人だとすると、そのうち3~4人くらいが授業料免除になるということです。

未来を支える子どもたち全員の学費が、タダになる……のではないことを理解しましょう。

<無償化>の対象になっても学費ゼロとは限らない

「高等教育の無償化」は、学校(国立・公立・私立)によって、授業料が免除になる上限が異なります。

国立大学は、「授業料の全額免除」という区分がありますが、該当するのは住民税が非課税の世帯だけです。住民税が非課税ではない世帯のうち、年収の目安300万円未満は非課税世帯の3分の2、380万円未満は3分の1の額の支援にとどまります(両親・本人・中学生の4人世帯の場合)。

次の図は、授業料免除の考え方を表しているものですが、学校に払う授業料と免除してもらえる額には差があることがわかります。

その差額は、無償化「以外」の方法で用意しなくてはなりません。

私立大学は、国立大授業料の額に、私立大平均授業料と国立大授業料の差の半分を上限として加えた額の授業料が減免対象ですので、非課税世帯であっても、授業料全額が「無償化」の対象ではないということになります。

ところで、大学の費用について考えるとき、注意すべき言葉があります。

大学に払う費用のことを「授業料」と表現するのは、正しくはない……ということです

国立大学に納めるのは「授業料」ですが、私立の大学・専門学校では、授業料に加えて施設設備費や実験実習料など、いろいろな名目を含む学校納付金を払います。授業料以外の学校納付金は無償化の対象ではないため、「授業料」と「学校納付金」をきちんと使い分けないと、制度を誤解してしまう可能性があります。

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最終更新:10/17(木) 12:24
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