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「若い人こそ日韓交流を」 新大久保で犠牲になった留学生の母、横浜で学生に訴え

10/18(金) 5:00配信

カナロコ by 神奈川新聞

 JR新大久保駅(東京都新宿区)で2001年、ホームから転落した男性を救おうとして亡くなった韓国人留学生、李秀賢(イ・スヒョン)さん=当時(26)=の母親、辛潤賛(シン・ユンチャン)さん(69)が17日、横浜市戸塚区の明治学院大学で学生らと交流した。この日の授業で李さんの思いを追ったドキュメンタリー映画「かけはし」が上映されたことに合わせて登壇。約100人の学生に「若い世代が日韓の交流を図り、新しい世界を作って」と呼び掛けた。

 「お会いできてうれしいです」。辛さんは学んでいるという日本語であいさつした後、息子の思い出を語った。「韓国と日本は歴史的にいろいろあったが、お互いにとってとても特別な関係。秀賢が亡くなったあと、残してくれた日記から、両国の友好を切に願う思いを知った」

 辛さんは、息子の死を契機に多くの日本人と関わりを持ち、日本が好きになったという。「(日本が)最も近い国であると改めて分かった」とした上で、「国と国も、より相手を配慮して理解を深めることができれば、それが本当の平和であり、幸せな世の中になる」と訴えた。

 質疑応答では、ゼミで慰安婦問題について学ぶ3年の嶋明香里さん(21)が、日本製品の不買運動の報道などを踏まえ、日本に対する韓国国内の空気を質問。辛さんは「個人の意見もいろいろあるだろうが、それを政治的に利用して一方的に主張するのはよくない。本来は政治がコントロールして両国が健全な友好関係を結べるようにすべきだ」とし、「あなた方のような若い人はもっと積極的に交流を図って」と呼び掛けた。嶋さんは質問後、「一人一人が相手のことを知り交流していくことが大事だと分かった。実践していきたい」と話した。

 上映会を開催した国際学部教授で、同大国際平和研究所所長の高原孝生さん(64)は「韓国文化に興味を持つ学生がいる一方、『嫌韓報道』を信じる学生もいる」と明かし、「メディアは古い国家間の対立という枠組みを再生産しているが、実際には民間の交流がある。お互いのことをきちんと理解した上で友好をベースに関係を築くことが大切だと考えてほしかった」と民間交流の大切さを訴えた。

 「かけはし」はシンガー・ソングライターの中村里美さん(55)が企画、製作。関係者のインタビューから李さんの人生を振り返るとともに、来日した韓国の学生と日本の人々の交流を描く。

神奈川新聞社

最終更新:10/18(金) 5:00
カナロコ by 神奈川新聞

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