ここから本文です

時代と共に進化した「信楽焼タヌキ」の意外な姿 バブルの香りが残る、懐かしい「お土産」を探して

10/21(月) 7:00配信

withnews

 タヌキの置物で有名な信楽には、バブルの痕跡は残っているかーー。かつて、バブルから平成初期にかけて、日本中の観光地で売られていた雑貨みやげ「ファンシー絵みやげ」。懐かしいタッチのイラストが特徴的な商品たちです。「平成文化研究家」の山下メロさんは、時代の流れとともに消えていったこの「文化遺産」の保護を続けています。全国的に売られていたこのお土産ですが、滋賀県ではあまり取り扱われていなかったといいます。そんな空白地帯を調査すると、「信楽焼」やその「タヌキ」が映してきた時代の変化に触れることに。山下メロさんのルポでご紹介します。

【画像】懐かしい「ファンシー絵みやげ」はこちら 「顔怖すぎ!」昭和初期の信楽焼タヌキの姿

「ファンシー絵みやげ」とは

 「ファンシー絵みやげ」とは、1980年代から1990年代かけて日本中の観光地で売られていた子ども向け雑貨みやげの総称です。地名やキャラクターのセリフをローマ字で記し、人間も動物も二頭身のデフォルメのイラストで描かれているのが特徴です。

 上記のリンクから写真を見れば、実家や親戚の家にあったこのお土産にピンと来る人も多いのではないでしょうか。

 バブル時代がピークで、「つくれば売れる」と言われたほど、修学旅行の子どもたちを中心に買われていきました。バブル崩壊とともに段々と姿を消し、今では探してもなかなか見つからない絶滅危惧種となっています。

 私は、その生存個体を保護するための「保護活動」を全国で行っているのです。

ファンシー絵みやげが少ない滋賀

 全国の観光地にあったといいつつも、滋賀県にはファンシー絵みやげが売られていた形跡があまり残っていません。

 観光地の地名が書かれているのがファンシー絵みやげの特徴のひとつなのですが、滋賀で見つかったもののほとんどが「BIWAKO(琵琶湖)」と書かれています。

 琵琶湖の西側には近江八幡、安土城跡、甲賀などの観光地がありますが、これらの名前が書かれたファンシー絵みやげは少ししか見つかっていません。あとは、京都との府県境にある「HIEIZAN(比叡山)」が少しでしょうか。とにかくバリエーションが少ないのです。

 その中でも名前が有名ながら、一切ファンシー絵みやげが見つかっていない場所があります。それが信楽(しがらき)です。

 信楽といえば、信楽焼きです。居酒屋などの店先によく置かれている、大きなタヌキの焼き物を思い出してみてください。首に笠をかけ、徳利と台帳を持っているあの置物。あれが「信楽焼き」であるということは有名ですよね。

 一方、ファンシー絵みやげには陶磁器もよく売られていました。ファンシーなイラストがプリントされた茶碗や湯呑などです。窯元がある観光地であれば、こういったファンシー絵みやげも売られていたかもしれないと予想しました。

 信楽駅は、信楽高原鐡道というローカル線の終点。移動時間や調査範囲の広さから、私にとってなかなか訪れられずにいた場所でした。そこにファンシー絵みやげが存在した可能性を感じつつ、乗換駅を通るたびに気になっていたのです。

 ついに、調査のチャンスは2018年にやってきました。

1/4ページ

最終更新:10/21(月) 7:00
withnews

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事