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武蔵小杉のタワマン、下水や汚泥まみれになり大混乱…資産価値や税金への影響は?

10/18(金) 8:14配信

税理士ドットコム

首都圏を襲った台風19号の影響で、武蔵小杉(川崎市中原区)の47階建てタワーマンションで、停電によりポンプが動かず、全戸で断水、トイレが使えない状態になった。

朝日新聞の報道によると、24階までが停電したため、エレベーターが使えず、住民が非常階段で移動せざるをえなくなったという。

また、タワーマンション周辺のエリアが下水や汚泥まみれになり、大混乱に陥った。

今後、税金や不動産鑑定の観点からは、どのような影響がありうるのだろうか。不動産鑑定士でもある冨田建税理士に聞いた。

●固定資産税・都市計画税の減免の可能性は低い

「まず、直接的な話として、土地や建物の固定資産税・都市計画税の額を一度限り減免する制度の適用が考えられます。ただ、私も川崎市の担当部署に照会したのですが、土地の減免は形状が変わる程でないと適用されないとの事で、建物も調査次第ですが、減免の可能性は低いと思います。

また、台風被害の影響では、課税の前提となる建物価値の評価替の可能性も低いとの事で、将来的にも建物に関するこれらの税への影響はないと予測されます」

●土地の評価に影響する可能性も

では、ほとんど影響はないということか。

「土地には将来的に影響する可能性が考えられます。

なぜなら、固定資産税路線価や公示価格等、土地の評価に際しては、台風被害も織り込む余地があり得るからです。なにしろ、東京都のある町の公示地を担当する私にも公示価格の分科会幹事の不動産鑑定士から『あの町に大きな台風被害がなかったかを役所に確認してね』との指示が来た位ですから、武蔵小杉近辺の公示地点担当の不動産鑑定士も調査をされているのではないでしょうか。

そして、固定資産税路線価関連の鑑定評価でも担当不動産鑑定士の判断次第ですが、公示価格の動向を踏まえた上で被害を反映する余地があると言えます。

ですので、タワーマンションの場合は、1区分に帰属する土地価値が僅少のため、インパクトはわずかですが、影響は皆無ではないでしょう。

個人的にはこの件に限らず、全国の不動産鑑定士が公正な地価把握や課税に裏方として貢献する姿も知って頂ければ嬉しいですね」

●住み続ける限り、市場価値がどうなっても関係ない

不動産市場での価格に影響する可能性はあるのか。

「先ほどの土地の評価と、換金価値は別問題です。今回のような事態は、タワーマンションの市場価値の下落要素になると考えられます。でも、いつも思うのは、自宅は『住み続ける限りは換金価値がいくらでも関係ない』点です。

変に相続税の節税目的で購入するのはいかがなものかと思いますが、タワーマンションを気に入っているなら、それは恵まれている事だと思います。目先の見栄に拘らず、長い目で愛せる自宅を探す事こそ大切ではと、改めて問いかけたいですね」

【取材協力税理士】
冨田 建 (とみた・けん)税理士・不動産鑑定士・公認会計士
43都道府県で不動産鑑定業務経験の傍ら、公認会計士東京会・東京税理士会の学会、不動産会社で地価・不動産法人化・相続等の講演をし告知が新聞に顔写真入で何度も掲載。自著執筆で東京都不動産鑑定士協会表彰の他、公認会計士のプロフェッショナル集団のM&Aサポート会社㈱Stand by Cでも不動産回りを担当する等、不動産や会計・税務の世界で幅広く活躍中。
事務所名 :冨田会計・不動産鑑定株式会社
事務所URL:http://www.tomitacparea.co.jp/

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:10/18(金) 12:07
税理士ドットコム

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