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あおり運転の対策や対処法、罪状について弁護士に聞いてきた。

10/18(金) 12:00配信

Park blog

常磐道で起きた事件がニュースなどで連日取り上げられ、改めて注目を集める「あおり運転」。あおり運転に遭わないための対策。遭ったときのにどうすればいいか。どのような罪に問われるかなどについて、交通事故を専門に取り扱う弁護士・井上昌哉氏に話を聞いた。

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交通事故専門「しまかぜ法律事務所」の代表弁護士・井上昌哉氏

 そんなあおり運転について話を聞いたのは「しまかぜ法律事務所」の代表弁護士・井上昌哉氏。交通事故件数が全国で一番多い愛知県において、年間300件の交通事故案件を受任する経験豊富な弁護士である。もちろん、あおり運転に関係する案件も多数受任しており、テレビや新聞、雑誌などにもたびたび登場するのでご存じの読者もいるだろう。

 今回は、井上氏の事務所で、あおり運転に関するさまざまな疑問について教えてもらった。

あおり運転はどんな罪になる?

 さっそく、あおり運転はどんな罪になるのか尋ねてみた。

 井上氏「まず、“あおり運転“という言葉は法律用語ではなく、違反条項にもありません。近年では法廷でも使われるほど認知度の高い言葉になっていますが、法律的には道路交通法と刑法、自動車運転死傷行為処罰法で罰せられることになります」

 井上氏によると、あおり運転そのものが罪になるわけではなく、その過程で違反することになる、ひとつひとつの行為に罰則が与えられるのだという。その根拠となる法律が「道路交通法」と「刑法」、「自動車運転死傷行為処罰法」なのだ。それぞれの主な罪状は以下の通り。



【道路交通法】
・車間距離保持義務違反(第26条):前車との車間距離を必要以上に詰める行為。
・安全運転義務違反(第70条):急な割込みや幅寄せをする行為。
・減光等義務違反(第52条):夜間、他の車両を威圧する目的でハイビームを継続する行為。
・警音器使用制限違反(第54条):執拗にクラクションを鳴らす行為。

【刑法】
・暴行罪(第208条):加害者が被害者にケガを負わせる可能性のある行為。殴ろうとして当たらなくても成立。
・傷害罪(第204条):殴る・蹴るなどして被害者にケガを負わせる行為。
・強要罪(第223条):脅迫・暴行を用いて、被害者に義務のないことを行わせる行為。
【自動車運転行為処罰法】
・危険運転致死傷罪(第2条、第3条):故意に危険な運転をして、人を死傷させる行為。



 前方を走るクルマとの車間距離を詰めることは道交法第26条の定める「車間距離保持義務違反」。極端な幅寄せは同法第70条の「安全運転義務違反」となっている。単にあおるという行為でも、その内容によって違う罪にあたるようだ。また、事故によって相手をケガをさせてしまう恐れのある行為は、刑法の「暴行罪」にあたる。この場合、衝突やケガといった結果が伴わなくても暴行罪となり、慰謝料などを請求することができるそうだ。

 井上氏は「加害者が『殺すぞー!』と暴言を吐いたり。クルマをぶつけようとしたり。殴ろうとしただけでも暴行罪が成立します」という。

 また、相手を殴ってケガを負わせた場合は「傷害罪」になる。

 井上氏「ちなみに常磐道の事件では、被害者の進路をふさぐなどの暴行を加え、停止する義務がないのに車を止めさせたとして強要罪が適用されました。加害者の悪質性を重くみて、暴行罪より刑罰が重い強要罪を適用したのでしょう」

 さらに、危険な運転によって人を負傷させたり、死亡させた場合には「危険運転致死傷罪(妨害目的運転)」になるのだという。いずれの場合も、故意にその行為を行ったかどうかが重要で、ドライブレコーダーなどで故意にあおり運転をしている過程が映っていると立証がしやすいそうだ。

 その他、悪質なあおり運転の常習犯となると、免許停止もしくは免許取り消し処分になることもあるそう。道交法第103条第1項第8号では「自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険生じさせる恐れがある」と判断した者を「危険性帯有者」とし、点数制度における処分に至らない場合でも、最長180日間の免許停止処分になるのだという。

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最終更新:10/18(金) 12:00
Park blog

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