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NTTコム、データ活用基盤「SDPF」を立ち上げ、通信キャリアでは世界初の試み

10/18(金) 8:00配信

BCN

 NTTコミュニケーションズ(NTTコム、庄司哲也社長)は、データ活用基盤「Smart Data Platform(SDPF)」事業を本格的に立ち上げる。強みとする通信ネットワークやデータセンターなどの物理層からデータの蓄積、分析のアプリケーション層に至るまでSDPFに全て集約した。庄司社長は、「データ活用基盤をフルラインアップで構築したのは通信キャリアとしては当社が世界初」と胸を張る。



 SDPFは、データ収集のための無線や有線のネットワーク層からデータ蓄積のためのストレージや各種クラウド、データの統合や分析、AIや営業支援、継続課金ビジネス支援などのアプリケーション層に至るまでを「オールインワン」で揃えている。また、簡単な操作で使用するクラウドやストレージを切り替えられる「ワンクリック」、一貫したポリシーで運用することで情報セキュリティを高める「ワンポリシー」、一元的なマネージドサービスを実現する「ワンストップ」の四つの“ワン”が特徴だという。

 例えば、工場の熟練技術者の技能をデータ化して分析し、ロボットによる自動化に役立てたり、若手技術者に継承させる基盤としてSDPFを活用できる。データ収集の部分は工場内の無線高速通信のローカル5Gを使い、クラウド上にデータを蓄積して統合や分析を行うといった機能を網羅的にカバーする。工場関連では、NTTコムと工作機械メーカーのファナック、富士通の3社が協業して、工作機械の保守診断のためのデータ取得方法などを業界横断的に共通化する「デジタルユーティリティクラウド」を2020年4月をめどにリリースする。その後、段階的に機能を拡張していく方針だ。NTTコムでは業界横断でデータを共有し、協調できる領域の基盤としてSDPFを積極的に活用していく。
 

 SDPFの海外市場への展開は、今年7月に英国に設立したNTTリミテッド(ジェイソン・グッドールCEO)と二人三脚で進めていく。NTTリミテッドはNTTコムの海外拠点と旧ディメンション・データを統合して発足。海外拠点はNTTコム単独の約40拠点から70拠点余りに増えた。この10月に都内で開催した顧客向けイベント「NTTコミュニケーションズフォーラム2019」のタイミングで来日したNTTリミテッドのグッドールCEOは、「グローバルで密接に連携しながらフルスタックのサービスを提供していく」と話した。

 旧ディメンション・データは、ネットワーク構築に強いNIerだが、粗利の限られるハードウェア販売の比率が高い点に課題があった。NTTリミテッド体制のもとで、SDPFをフルに活用したサービスビジネスを伸ばしていく。一方、国内事業と海外進出する日系企業を担当するNTTコムは、これまで重要な収益源だった長距離電話の安価なインターネット電話への移行による減収が見込まれる。SDPFを向こう5年程度で1000億円規模の事業に育てることで会社全体として成長を持続させていく。(安藤章司)

最終更新:10/18(金) 8:00
BCN

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