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モナコのロールスロイス

10/19(土) 7:01配信

LEON.JP

自動車ジャーナリストのレジェンド岡崎宏司氏が綴る、人気エッセイ。日本のモータリゼーションの黎明期から、現在まで縦横無尽に語り尽くします。今回は乗り手を選ぶクルマの最上級であると著者が言うロールスロイスの話。最高にエレガントなロールスロイスに出合ったのは……。

モナコで出会った素晴らしいロールスロイス

コートダジュール、、、ニースや、カンヌや、モナコでは、そこここで非日常的なシーンに出会う。映画でしか見られないようなシーンが、日常の中にさりげなく溶け込んでいる。
今回の思い出話も、そんなあれこれの中のひとつだ。

ハッキリは覚えていないが、確か80年代の終わり頃だったかと思う。

ニースでの仕事を終えた後、2日間のフリータイムを取ってモナコで過ごした。季節は初夏。

泊まったホテルは「モンテカルロ・グランド」。現在の「フェアモント・モンテカルロ」だが、F1 モナコGPで有名なヘアピンの前に位置するホテルだ。

もちろん、部屋は「オーシャンフロント」を取ったが、地中海の抜けるような蒼さを眺めているだけでも最高の気分だった。

朝食も、ランチも、ディナーも、、全部、地中海を目の前にするテーブルをとった。

モナコGPの名物でもあるトンネルも、このホテルの下を通過している。それを考えただけでもワクワクした。

ニースからの足はレンタカーを使ったが、モナコでは、F1のコースを辿るのと、モンテカルロラリーのコースの一部を辿る以外、クルマは使わなかった。

つまり、徒歩で動いたということ。坂は多いが、小さな街だし、当時はけっこう健脚でもあったので、なんの問題もなかった。

1泊した翌朝は早起きして、静かな早朝の街を歩いた。ハーバーの散歩とハーバーのカフェでのモーニングコーヒーが目的だ。

ハーバーをタップリ味わった後は、F1のコースを辿ってホテルまで。楽しい散歩だった。

その散歩の途中で出会ったロールスロイス(以下RR ) が今日の本題なのだが、場所はカジノ広場。

家も、ヨットも、クルマも、、とにかく贅沢なものには事欠かないモナコだが、カジノ広場はその象徴。すごいクルマを見たければカジノ広場に行けば確実に目的は叶えられる。

まだ早朝(8時頃?)だったので、カジノ広場も静かだったが、、ゆっくり広場入ってきた1台のクルマが目に留まった。

RRコーニッシュ・ドロップヘッドクーペであることはすぐわかったが、まず、その色に惹かれた。ボディは細かいメタリックの入った淡いチョコレート・ブラウン。

トップはボディカラーを一層淡くした、オフホワイトに近いチョコレートだったが、ボディカラーとのコンビネーションは文句なし。華やかさと上品さを兼ね備えていた。

トップは開けていたが、無雑作に開けただけ。そのさりげなさもいい雰囲気だった。

かなり長く乗り込んでいる感じで、適度なやれ感があったのもよかった。ワックス掛けなどほとんどしていない、、いわゆる「ピカピカ感」がまったくなかったのもよかった。

こんなことだけでも十分に惹かれたが、乗っていた二人連れがさらに心を踊らせた。

運転していたのは、RRに相応しいやや大柄な体格の男性。髪はすっかり白くなっていた。60~70才くらいだったと思う。チラリと見ただけだが、優しげで品位ある顔立ちだった。

初夏の朝は少しヒンヤリしていたが、白いシャツだけ、というのがまたよかった。

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最終更新:10/19(土) 7:01
LEON.JP

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