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ロードテスト アリエル・アトム4 ★★★★★★★★★★

10/19(土) 11:50配信

AUTOCAR JAPAN

はじめに

アリエル・アトム4という車名は、厳密に言えばこのクルマの実態を表してはいない。この英国製ライトウェイトマシンの、第4世代とは言えないからだ。

【写真】アリエル・アトムとライバル (23枚)

初代モデルの登場は前世紀末、すなわち2000年に、自然吸気のローバー製Kユニットを搭載し発売。数機種のバリエーションが用意され、最高で193psを発揮した。

2003年には、エンジンをホンダ製に換装したアトム2へ発展。最強モデルは304psを発生するスーパーチャージャー仕様だった。2007年のアトム3は、パワーソースを同じホンダユニットながらK20AからK20Zへ変更し、シャシーも改良された。

次のラインナップは2010年、ウイングを纏ったボディに、スズキのバイク用エンジン2基をベースとした8気筒を積んだアトムV8だ。25台限定で、15万ポンド(当時のレートで約2000万円)と高額だったが、3.0Lから507psを叩き出すそれを当時われわれは試乗して「とことんすばらしい」と評した。20数人程度で運営されていたクルーカーンの小規模メーカーは、まさに世界を打ち負かす一台を生み出したのだ。

2013年にはアトム3.5をリリース。過激すぎたV8からすればまともといえる2.0L直4はアトム3のホンダユニットの発展版で、機械過給版の最高出力は319ps。ヘッドライトが新デザインとなり、シャシーは剛性が向上した。当然ながら、走りはコンマ5に相当する程度の改善が見られ、アリエルのウェイティングリストはますますページを増やすこととなった。

と数え上げてみると、今回のテスト車は第6世代のアトムだということになる。そして、バージョン3.5との共通部品はペダルとフューエルキャップのみという触れ込みの全面刷新が図られたモデルだ。すばらしいことは間違いないだろうが、従来モデルを忘れさせるほど魅了してくれるのだろうか。乗る前から、期待は膨らむばかりだ。

意匠と技術 ★★★★★★★★★★

アリエル・アトムは、1台を1人の技術者が手組みするマシンだ。この製造プロセスは、初代から変わることがない。しかし、アトム4はデザインやハードウェアが大きく変わった。直前のアトム3.5と見比べても、変化は明らかだ。

根源的な方法論はそのままだ。剥き出しの外骨格フレームを土台として、アルミ部材のプッシュロッド式ダブルウィッシュボーンと、調整式コイルオーバーユニットが組み付けられる。

ダンパーはビルシュタイン製が標準装備。だが、テスト車が装着していたのはオーリンズ製の別体タンク付きダンパーを用いたオプション品で、もちろんアリエル専用設計キットだ。

ステアリングはアシストなし、エンジンは横置きミドシップ、6速MTを用いた後輪駆動であることも従来通り。またオプションとして、機械式LSDが設定されており、テスト車にはこれが装着されていた。

このほか、APレーシング製強化ブレーキキットや調整可能な電子制御トラクションコントロールも、テスト車は装備。新型の過給エンジンには、ブースト圧コントローラーも用意されている。

チューブラーフレームはスティール素材だが、2014年に試作されたチタンフレームでのノウハウも投入された新開発品。ブロンズ溶接した鋼管は、これまでより直径が増し、剛性が15%高められた。

レッグスペースも拡大され、前面衝突に対する乗員保護性能も改善。サスペンションはピックアップポイントを刷新し、アンチスクオットとアンチダイブを期してジオメトリーも見直し。前後異径のホイールは1インチずつサイズアップし、運動性はそれらの恩恵を受けているという。また、わずかに延長されたホイールベースは、スタビリティの向上につながっている。

新採用のターボユニットは、ホンダの現行シビック・タイプR用がベースのK20Cユニット。ショートストロークの2.0L直4 i-VTECは、ブーストコントロールのモードを最強にセットすると320psと42.9kg-mを発生する。

ベースとなる公道仕様の公称重量は595kgで、先代の3.5よりだいたい20kgの増加。それでも、市販車としては最軽量の部類に入る。オプション満載のテスト車は、満タン状態での実測値が680kgだった。

最高速度は260km/h。デザイナーはこの数字を達成するべく、空気抵抗とのバトルを繰り広げたことだろう。ほとんどの部分がカーボン仕様も選べるボディパネルは新規パーツで、ロールバーはエアインテーク部分のボディワークに組み込まれた。また、歴代モデルでもっとも低く幅広い。

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最終更新:10/29(火) 21:01
AUTOCAR JAPAN

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