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2100台のマツダ ロードスターが10年に一度の里帰り!

10/20(日) 12:00配信

アスキー

ロードスターファンによるロードスターファンのためのイベント「ロードスター30周年ミーティング」に参加したので、レポートします。
10年に一度のお楽しみ
「ロードスター30周年ミーティング」に参加した
 マツダ・ロードスター好きのためのイベント「ロードスター30周年ミーティング」が10月13日に広島県のマツダ三次自動車試験場で開催された。このイベントは、1989年に初代モデルが発売されたロードスターの生誕を、開発の聖地となるテストコースで祝おうというもの。これまで1999年に「10周年ミーティング」、2009年に「20周年ミーティング」が実施されており、今回が3度目となる。
 

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 このイベントの驚くべきところは、普通であれば極秘中の極秘であるテストコースを公開して、パレードランをさせることだ。しかも、主催はマツダではなく、ロードスターのオーナー有志。そして、運営スタッフなどに大勢のマツダ社員を動員するなど、マツダが全面的なバックアップ体制をとっている。
 
 そんなイベントであり、10年に一度であり、しかもテストコースに入れるということもあってか、第1回には約1000台、第2回には約1600台、そして第3回となる今回も約2100台ものロードスターと、約3500人のオーナーが全国から駆け付けた。
 
 ちなみに今年の開催日は、台風19号が関東エリアで猛威を振るった直後。イベント前日となる12日は関西から東北までを豪雨と猛烈な風雨が襲った。そんな嵐の中、全国から過去最大規模の約2100台が集まったというのも驚かされる。
 
 ちなみに筆者も20年来のロードスター・オーナーであり、前回の20周年にも参加した経験を持つ。そこで今回は、参加者目線でのイベント・レポートをお届けする。
 
参加のハードルは意外に高く
手間がかかる
 まず、30周年ミーティングは商業イベントではないため、「お金さえ払えばお客様として誰でも参加できるもの」ではない。けっこう手間ヒマがかかるものなのだ。
 
 参加を希望するなら、最初に「パレードに参加する権利」を獲得しなければならない。パレードに参加できる台数が限られている。今回は2000台。少なくない数ではあるが、昨今のロードスター系ミーティングの人気の高さを鑑みれば、そう甘いものではない。
 
 往復はがきによる駐車場の応募と抽選は7月上旬から8月中旬にかけて実施される。そこでパレードに参加できる駐車場とできない駐車場に割り振られる。参加できない駐車場とは、マツダ三次自動車試験場の外にあり、当日は駐車場からの送迎バスで会場入りとなる。
 
 その後、8月下旬から9月にかけて、ようやく参加者のチケット販売が開始されるのだ。この場合は、希望者はすべて購入可能。ただし、駐車場の権利がない場合は、徒歩での来場。イベント直前になって「やっぱり行こうかな」というノリでは、参加できないのだ。
 
台風が遠方からの参加者の移動日に直撃
 今回の開催に関して言えば、台風来襲のタイミングが非常に難しいところだった。開催地・広島への影響は、正直なところ小さいが、前日12日は関西より東が暴風雨。関東には甚大な被害をもたらしている。つまり前日の移動が難しい。東日本エリアの参加者を諦めても決行するのか? それとも無難にイベントを中止とするのか?
 
 最終的な判断は11日の夕方。関東在住の筆者は「決行であれば、11日の夜のうちに出発せねばならぬ」と、夕方の決定を待っていたのだ。ちなみにSNSをチェックしてみると、2~3日かけてノンビリと広島を目指そうという北海道や東北の参加者はすでに出発済みであった。
 
 夕方のイベント決定のメール連絡を受け「台風到来前に関西まで行く」と、11日の深夜12時すぎに出発。ライター仲間をピックアップして中央道を西へ向かった。雨は強いものの、まだ風はそれほどではなく、交通量も少ない。ハイドロプレーニングに用心しながら走り続ける。夜明けを迎えた名古屋では再び強い雨に。
 
 しかし、大阪を過ぎれば雨も弱まってゆく。また、交通量の少ない高速道路上で、ちらほらと西へ向かうロードスターの姿を目にする。11時過ぎの宝塚近辺のSAには、数十台規模のロードスターが停まっていた。また、高速道路では抜き去るときにあいさつをするようにハザードを点灯するロードスターも。広島に近づくにつれ、ロードスターの数は増えるばかり。SAやPAでは「こんにちは」「お先に」と言った具合に、知らない人同士ではあるが、ロードスターのオーナー同士が声を交わす。広島に向かう道中から、すでにミーティングがスタートしているようなものだ。
 
 ちなみにイベント会場のある三次市内のホテルは、7月の時点でどこも満杯。仕方なく、会場より20㎞ほど東の宿に泊まったが、訪れてみれば、そこも駐車場には20台ほどのロードスター。当然、そのロードスターも翌日は三次を目指すのだろう。
 
「おかえりなさい」でイベントはスタート
 イベントのスタートは10時だが、約2100台ものロードスターの会場入りには時間がかかるため、ゲート・オープンは6時半と早い。それでも三次市内は、朝からロードスターによる渋滞も発生する事態だ。
 
 長い渋滞の先にある三次自動車試験場のゲートでは守衛さんが「おかえりなさい」とロードスターを迎える。生誕の地であるテストコースに、ロードスターが里帰りしたというわけだ。約2100台のロードスターは、周回路と直線路、そして場外の3ヵ所にわけて駐車される。
 
 イベントのメイン会場となるのは周回路と直線路に接する広場。中央に大きなテントが設置され、それを囲むように、ステージ、イベント用テント(記念署名車やレストア車、グッズ販売ショップ、地元の飲食店など)、約30台のロードスター限定車の展示が並ぶ。
 
 10時のイベント開始も「おかえりなさい」の言葉だ。そして、歴代ロードスター開発者によるスピーチを筆頭に、全国のロードスター・オーナズクラブや海外オーナーズクラブの紹介、ドクター・ストップにより来場を断念したロードスターの初代開発主査である平井氏への感謝の言葉などが続く。また、マツダCEOの丸本 明氏と共に、関東方面での台風罹災者に対する黙祷も行なわれた。
 
 マツダによるロードスター・レストア・プロジェクトのブースでは、10月中に始まる「パーツ情報サービス」の説明が行なわれていた。NAロードスターのレストア実施による知見を活かし、NAロードスターのレストアに必要なパーツ情報をメールなどでアドバイスするというものだ。レストアの公式サイト「CLASSIC MAZDA」から受け付けるという。
 
3時間以上も続いたパレードラン
 メイン会場によるイベントは14時過ぎからの「ロードスターforever宣言採択」で終了。しかし、本当のメイン・イベントはこの後に始まる。それがパレードランだ。
 
 周回路と直線路に並ぶロードスターは約1700台。オーナーがクルマに乗り込むだけで1時間以上が経過。パレードが走り始めたのは15時20分。それから延々とロードスターによるパレードが続く4.3㎞の周回路が全周にわたってロードスターによって埋め尽くされる圧巻の風景だ。「いってらっしゃい」とパレードを見送るのは、歴代ロードスターの開発主査とマツダ社員によるスタッフたち。10年に一度の至福の時間と言えるだろう。
 
 会場でのミーティングは終わった。しかし、本当の意味でのイベントの終了は自宅に帰るまで。筆者でいえば、はるか700㎞向こうの自宅となる。帰路となる高速道路のSAでは、あちらこちらで同じロードスターのオーナーから「三次帰りですか?」と声をかけられる。「まだまだ遠いですよね。頑張りましょう」と互いを労わりながらのロング・ドライブとなった。
 
 それでは、また10年経ったらお会いしましょう!
 
筆者紹介:鈴木ケンイチ
 
 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。
 
 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。
 
文● 鈴木ケンイチ 編集●ASCII

最終更新:11/4(月) 15:06
アスキー

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