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【インタビュー】「感無量!」海宝直人らのシアノタイプ、満を持してファーストアルバムリリース

10/20(日) 11:37配信

TOKYO HEADLINE WEB

 ミュージカル俳優で、ソロシンガーとしても活躍する海宝直人がボーカリストを務め、ギタリストの小山将平とベーシストの西間木陽からなる3ピースバンド、CYANOTYPE(以下、シアノタイプ)が初めてのアルバム『MONTAGE』をリリースした。2012年にバンドを結成してから7年目、満を持して世に送り出すファーストアルバムは間違いなく自信作。「この7年があってこその作品」と胸を張るメンバーにインタビューした。

シアノタイプ:いい男のポーズは“クロス”?

――ファーストアルバム『MONTAGE』がついに発売されました。

海宝直人(以下、海宝):やっとファーストアルバムができました。聴いてくださる方々にアルバムが届いて、歌詞に目を通していただいて今までライブで聴いていただいた曲が文字になって。また新しい発見もしてもらえるのかもしれないなあと思うと、うれしいですね。

西間木陽(以下、西間木):……感無量、ですね。アルバムのことを考えながら、曲を作ってきたので、こうして形になるのはうれしい。

小山将平(以下、小山):そうだね、うん。

――バンド結成は2012年ですから、満を持してのリリース。思い入れも強いと思いますが、どのようなアルバムにしたいと思っていたのですか。何らかの“シアノタイプ”(青写真)はあったのでしょうか。

西間木:一辺倒になりたくなかったというか。何かに縛られずに、いろんな楽曲にチャレンジしていこうと思っていました。このバンド自体、海宝直人の表現力を生かすためにはどうしたらいいかということを考えてきたところもあって、これまでもいろんな楽曲をやってきたんです。ライブでもそうしてきました。だから、アルバムもそのままで。

小山:1枚目にしてベスト盤みたいな感じかなあ。狙ったわけではないんですけど、7年分のコンセプトアルバムっぽくなった。一つひとつの曲が、いろんな楽曲にリンクしている。西間木君が作った曲と海宝君が作った楽曲の相性がいいのもあるし、こうしようって作っているわけではないからバラバラなのかなと思えば、そうじゃない。絶妙なんだよね。

西間木:ずっとやってきたなかでバンドの音も変化して、ここにきてようやく固まった……というわけじゃないんだけど、「これがシアノタイプの音、シアノタイプじゃなければ出せない」と自信を持って言える音になってきたなと感じるところはありますね。

――それは、どういった音なんでしょうか?

西間木:……自分でそう言っておいてですけど、難しいんですよね。一言では言い表せない音(笑)。僕ら3人は3者3様で、それぞれ違った音楽のバックグラウンドがあるんですが、それぞれ楽曲に向き合い、バランスを考えながら、歌と楽曲に寄り添うことができるんです。3人の個性を混ぜ合わせるバランスは楽曲によって変わるので形容しづらいんです。自分たちでもずっとディスカッションしてるんですよ、なんかいい表現方法がないかなって。

小山:それは、「シアトリカル・演劇的な世界観で創り上げるロック……」

海宝:(目の前にある資料を)読んだね!

――読みましたね(笑)。

西間木:シアノタイプは代替がないと思うんです。例えば、CDショップに行ったり、誰かの作品を聴こうとすると、「このアーティトに似ているから、このバンドも聴いてみたら」っていう薦め方があるじゃないですか。それがすごくしづらいバンドだと思います。

――「今まで聴いたことがない」という気持ちが聴くほどに強くなっていく、そんな印象を受けました。なぜそう感じたのかを今も考えているんですが、やはり海宝さんのボーカルが大きいのかなと。当たり前ですと言われそうですけど、テンポが早くても何を歌っているかが全部聞こえてくるんですよ。ノリやグルーヴを最優先する事が多い中で、それが新鮮というか……。

西間木:海宝君はワンセンテンスをしっかり表現してくれるんです。一言一言、意思を込めて歌ってくれる。伝えたいことを伝えるって難しいこと。それもあってなのかな、ノリだったりは二の次でいいのかなと思って作っているところがあります。

海宝:バンドを結成してからここに至るまでいろいろあって、西間木君が曲を書くようになって、そこから明らかに変わったし、それからもいろいろあって、ライブを重ねて、(シアノタイプの音楽は)もっとクリアになってきたと思います。アルバムを制作するなかでも、もっとこういうサウンドにしたほうがいいんじゃないかと、新たに発見したこともありますし。

――それは、例えば、どのような?

海宝:アルバムに「花色」という楽曲があるんですけど、どういう歌い方がいいのか、どういう表現がいいのか、楽器を差し引いてシンプルに表現したほうがいいのか、今っぽくいろんなサウンドがいいのか……いろいろ話し合いをしてサウンドを作っていったんです。歌も楽器も含めて。「ナルコレプシーの創造論」もそうかなあ。

――なるほど。西間木さんはこのアルバムでチャレンジしたことをあげるなら?

西間木:曲を挙げるなら「将棋の神様」ですね。語りの部分があって、そこはチャレンジだったかなと思います。この曲は、知人の夢の話が基になっていて、面白くて、それを膨らませて書いています。

――西間木さんは、シアノタイプのほとんどの楽曲で作詞作曲を担当していらっしゃいますが、この曲のように夢から歌詞を書いていくことは多いんですか。

西間木:多いですね。妄想したり想像したりすることが好きなんで、そういう部分を大切にして書くと楽に書けるんです。作詞を始めたのは、シアノタイプを続けるには自分たちで曲を作るしかなかったからなんですけど、普段の妄想を歌詞にできるようになったからかなあ、今は歌詞のことを自然と考えるようになって。辛いことがあっても、この気持ちを楽曲に昇華させようって思えて、前向きになったりするし(笑)。

――海宝さんも歌詞を書かれていますよね。このアルバムでは「新しいとき」。

海宝:歌詞は大変ですけど、楽しいところもあって。もっともっとやりたいんですけどね、なかなかです。

――話を戻しましょう。小山さんはファーストアルバムで特にここを聴いてほしいという部分や楽曲はありますか。

小山:曲は全部好きなので、全部なんですが……強いていうなら、ギターソロ! このご時世、ギターソロっていうのがあまりないんですよ。時代的な問題なのか。そのなかで、シアノタイプは、ギターソロがたっぷりある曲もあるので、ぜひ聴いてほしい。このアルバムを、ギターの目線で分析されたい……! そのぐらいこだわってますから。

――いずれは、ギターマガジンで……

小山:タブ譜になったら、俺の夢は叶ったって感じなりますね(笑)。

――みなさんやりたいことをやられていて充実している感じがあります。それぞれ、シアノタイプの外にも活躍する場があるなかで、シアノタイプはどのような場なのでしょうか。

西間木:本当にやりたいことがやれている場所であり、バンドですね。音楽って、自分で納得できるものを自分で作るのって難しくて、何を作っても誰と作ってもしっくりこなかったり納得いかない部分とかは出てくるものなんです。でも、このアルバムはそういうことなしに、バチッと作れたし。

海宝:僕は……個人的には素でいられる場所ですね。ライブをしていても思うんですけど、ホーム感がある。

小山:長くやっているのもあるからね。7年だからね、お泊り会もしたし(笑)。

西間木:それって、レコーディングのこと?(笑)

小山:いろいろあったけど、ちゃんと思い出もあって。

西間木:この7年だったり、いろいろがなかったら、こうはならなかっただろうね。

――すごくいいトリオですよね(笑)。ところで、インタビューも終盤になってなんですが、資料には3人の出会いは海宝さんがレコーディングスタジオに遊びに行ったこととさらりと書いてあるんですが、それってちょっと出来すぎではとも思ったりして……(笑)。

海宝:でも、本当なんですよ。ミュージカルと並行して音楽活動もしたいな、自分のソロアルバムも出したいなと思っていたころで。勉強になるからって、大きなレコーディングスタジオに見学に行ったんです。その時、ずらっと並んだスタジオのひとつにいたのが2人だったという……。その時2人は別のバンドをやってたわけで、まさか一緒にやることになるとは思ってなかったわけですけど。それからまたいろいろあって(笑)、しばらくして一回一緒にスタジオに入ってみることになったんで。

――そういう運命! それと、海宝さんはずっとクラシックやミュージカルという印象が強かったのですが、ロックであったり、シアノタイプにつながるサウンドとの出会いはいつごろあったんですか?

海宝:高校時代、中学の後半から高校まではバンドをやっていたんです。軽音みたいな部活に入って、ギターをやって。その時は女子がボーカルをやっていました。ゆずみたいに2人で組んでアコースティックギターで文化祭にも出ましたし、バンプもやったなあ……。

小山:ちょっと、それはエレキギターってこと? ちょっとちょっと~、やろうぜ~。ハモるパートを作ろうぜ~!!

西間木:……そこ?(笑)

海宝:やだよ~、恥ずかしいよ。

小山:絶対、格好いいから。ピロピロじゃなくて、メロディーでいいから。

西間木:君のピロピロは、普通の人は……

西間木と海宝:無理だから!!

小山:ボーカリストがエレキ持って、ハモる。これあんまりないよ。あんだけ歌ってさ!

西間木:間奏弾いてるのは見える。

海宝:じゃあ、ギターを買いに行くの付き合って! 

――なんだかライブが、もっと楽しみになってきましたね。お話、ありがとうございました。


(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)

最終更新:10/20(日) 11:37
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